【2026-02-25の市況概要】 (Market Pulse)
25日の中国・香港市場は、政策期待と通貨高を背景にリスクオンの展開となった。香港ハンセン指数(HSI)は前日比+0.66%の26,765.72ポイントで引け、節目の27,000ポイント回復を視界に捉えた。上海総合指数も+0.72%の4147.23と続伸。特筆すべきは通貨市場で、オフショア人民元(USD/CNH)が6.87台へと突入し、約3年ぶりの人民元高・ドル安水準を記録。これが海外勢の中国株への再参入を強く後押ししている。一方で、米10年債利回りは4.05%へ上昇したが、市場はこれを消化し、VIX指数は17.93(-8.29%)へ急低下した。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
1. 香港財政予算案と「3年ぶり」の人民元高
香港政府による予算案発表が、市場のセンチメントを「Greed(強欲)」領域(スコア72)へ押し上げた。黒字化見通しに加え、イノベーション・テクノロジー(I&T)分野への具体的支援策が好感されている。これに呼応するように、USD/CNYは6.87まで下落(人民元高)。人民元の安定は、中国資産への資金流入の最大の触媒となっており、特に為替リスクを嫌気していた海外機関投資家の買い戻しを誘発している。
2. 韓国勢によるAI株への資金流入
ニュースヘッドラインにある「韓国投資家によるMiniMaxなど中国AI株への資金流入」は、セクターローテーションの重要なシグナルだ。米中対立による監視強化(国防総省の120億ドル監視予算)という地政学リスクが存在する中でも、バリュエーション妙味のある中国ハイテク株、特にAI・チップ関連への実需買いが観測されている。これは上海市場の堅調さ(+0.72%)に直結している。
昨日のシナリオ検証
昨日のメインシナリオ(Bull: AI技術革新期待+人民元安定でHSI 27,000試す展開)は概ねヒットした。米CPIが予想を上振れ、米金利が4.05%へ上昇するというネガティブ材料があったにもかかわらず、香港予算案という強力な財政材料と、人民元高による流動性期待が勝り、HSIは26,700台での底堅い推移を見せた。金利上昇を無視した株高は、相場の地合いが強いことを示唆している。
(参考: 米最高裁が関税無効化:香港株2.7万回復と米国株安の乖離)
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 | 価格 | 変化 | コメント |
|---|---|---|---|
| USD/CNY | 6.87 | -0.57% | 3年ぶりの元高水準。中国資産への資金流入を正当化する最大のファンダメンタルズ要因。 |
| HSI (香港ハンセン) | 26,765.72 | +0.66% | 予算案好感。27,000の心理的節目を前にショートカバーと新規買いが交錯。 |
| Shanghai Comp | 4,147.23 | +0.72% | AI・半導体関連への資金流入が継続。4,150レベルの定着が次の焦点。 |
| US 10Y Yield | 4.05% | +0.37% | インフレ懸念再燃。通常なら株売り材料だが、現在はアジア市場の独自材料が優勢。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
短期シナリオ (24-48h)
現在、市場は「悪いニュース(米金利上昇)」を無視し、「良いニュース(香港政策・元高)」に反応する典型的な強気相場の特徴を示している。
- メイン (Main): 27,000トライの継続 (60%)
- 条件: 香港財政への信頼継続と人民元高(6.90以下)の維持。
- 展開: ハイテク株(Tencent, Meituan等)およびAI関連株への断続的な買いにより、HSIは27,000の大台回復を試す。上海総合は4,150での定着を図る。
- アップサイド (Bull): 海外勢の追随買い加速 (25%)
- トリガー: 米国株高のリスクオン波及に加え、韓国勢等アジア周辺国からの資金流入加速。
- ターゲット: センチメントが過熱し、HSIは27,300付近まで一気に上値を伸ばす(ショートスクイズ発生)。
- ダウンサイド (Bear): 米金利高への遅効性反応 (15%)
- トリガー: 米10年債利回りの一段の上昇(4.10%接近)や、トランプ氏発言による米中緊張の再燃。
- リスク: 短期的な利益確定売りが優勢となり、HSIは26,400ラインへ反落。
- 着目イベント: 米消費者信頼感指数、トランプ前大統領の発言(米中関係への言及有無)。
中期シナリオ (1-2 Weeks)
- 見通し: Bullish (強気維持)
- 重要イベント: 全人代(3月)、米雇用統計、ISM製造業景気指数。
- リスク: 米中対立の再燃(監視強化報道の具体化)、米インフレ再加速によるFRBタカ派傾斜。
(参考: 春節映画不振でHSI急反落:AI期待の上海と乖離鮮明 – ※以前の弱気材料を現在のAI相場が凌駕している点に留意)
【投資戦略】 (Outlook)
「押し目買い (Buy Dips)」継続
人民元の対ドルレートが6.87という強力なサポートラインを形成しており、これが崩れない限り、調整局面は買い場となる。米金利上昇によるハイテク株の調整リスクは残るが、現在のCN市場は独自の流動性相場(政策+通貨高)に突入している可能性が高い。
- エントリー: HSI 26,600近辺への押し目があれば好機。
- ターゲット: 短期 27,200、中期 27,800。
- リスク管理: HSI 26,400を明確に下抜けた場合(Bearシナリオ)、またはUSD/CNYが6.95を超えて元安反転した場合は、一旦ポジションを縮小し「様子見」へ移行する。地政学リスク(監視強化報道等)にはヘッドライン感応度を高めておくこと。


