【2026-02-21の市況概要】 (Market Pulse)
先週末の米国市場は、S&P 500が6909.51 (+0.69%)、Nasdaqが22886.07 (+0.90%)と堅調に推移し、主要3指数は揃って反発した。ハイテク株主導での買い戻しが入り、投資家心理は一時的に改善している。一方、日本株(日経225)は金曜時点で56,825.70 (-1.12%)と下落して引けており、週明けの反応が注目される。
為替市場ではドル円が155.16円まで円安が進行。通常であれば日本株にとって強力な追い風となる水準だが、週末に伝わった「トランプ氏による全輸入品への関税15%引き上げ表明」が市場の不透明感を極端に高めている。VIX指数は19.09まで低下しているものの、このニュースフローを受けて週明けはボラティリティが再燃するリスクがある。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
現在の市場は、「米国の堅調な経済(株高)」と「トランプ関税リスク」の強烈な綱引き状態にある。
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トランプ・トレードの変質(関税15%ショック):
週末にトランプ氏が関税率を従来の想定(10%)から15%へ引き上げると表明したことは、輸出依存度の高い日本株にとってネガティブサプライズである。円安(155円台)による業績押し上げ期待はあるものの、関税によるコスト増と貿易摩擦懸念がそれを相殺する形となる。
トランプ関税15%宣言:Nvidia決算前のS&P500攻防戦 でも詳述した通り、特に自動車・機械セクターにとっては、為替メリットよりも関税デメリットが意識されやすい局面だ。 -
米ハイテク株の復調:
Nasdaqの+0.9%上昇は、AI・半導体関連への押し目買い意欲の強さを示唆している。これは東京エレクトロンやアドバンテストなどの値がさ半導体株にとっての下支え要因となる。
昨日のシナリオ検証
昨日のメインシナリオ(条件:反発狙い)は 【不発】 となった。
要因は、米GDP速報値(1.4%)の下振れにより、場中でスタグフレーション懸念が台頭したことにある。この警戒感から週末を前にポジション調整の売りが優勢となり、引けにかけて57,000円台を維持できなかった。AIが算出したセンチメントスコアも55(Neutral)に留まっており、市場は方向感を模索している。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 | 価格 | 変化 (1D) | コメント |
|---|---|---|---|
| USD/JPY | 155.16 | +0.30% | 明確な円安トレンド継続。155円台定着は輸出株にプラスだが、関税発言での急変に注意。 |
| Nikkei 225 | 56,825.70 | -1.12% | RSIは67.3と依然高値圏。過熱感は解消されつつあるが、56,500円のサポート維持が焦点。 |
| Gold | 5,059.30 | +1.68% | インフレ再燃懸念と地政学リスクにより5,000ドル台を回復。リスクオフのヘッジ需要継続。 |
| US 10Y Yield | 4.09% | +0.27% | 金利上昇はハイテク株の重石になり得るが、現状は緩やかな上昇で株式市場は許容範囲内。 |
参照:ドル円155円接近で日経5.7万維持:RSI過熱と中東リスクの攻防
【シナリオ分析】 (Scenarios)
短期シナリオ (Short-term: 24-48h)
強弱材料が入り混じり、方向感が出にくい展開を予想する。
- メインシナリオ (確率 60%):
米株高と円安(155円)を好感して寄り付きは買いが先行するものの、関税15%発言が上値を抑える。57,000円近辺での揉み合いとなり、明確な方向感は出にくい。RSIが高水準にあるため、積極的な上値追いは限定的。 - アップサイド (Bull – 確率 20%):
市場が関税発言を「交渉戦術」と冷静に受け止め、米小売売上高の強さや円安の恩恵を再評価するケース。半導体・自動車株主導でショートカバーが入り、57,500円台への反発を試す。 - ダウンサイド (Bear – 確率 20%):
関税引き上げによる世界経済減速(スタグフレーション)懸念が蒸し返されるケース。輸出関連株が売られ、心理的節目の56,500円を明確に割り込むと、下落が加速するリスクがある。 - 着目イベント:
週明けの米国市場の反応、および25日のトランプ氏発言(詳細内容)。
中期シナリオ (Mid-term: 1-2 Weeks)
- 見通し: Neutral (中立)
- 重要イベント: 日本のCPI (2/26)、米PCEデフレーター/GDP改定値 (2/27)、トランプ氏の追加発言。
- リスク: 米インフレ指標(CPI/PCE)の上振れによるFRBのタカ派化、および保護主義政策の具体化による米中・日米貿易摩擦の激化。
【投資戦略】 (Outlook)
「レンジ内での逆張り(様子見推奨)」
現状は、ファンダメンタルズ(米経済堅調)とポリティカルリスク(関税)が衝突しており、スイングトレードでのポジション構築は慎重に行うべき局面である。
- エントリー戦略:
- 押し目買い: 56,500円近辺まで調整し、サポートが確認された場合のみ打診買い。ターゲットは57,200円。
- 戻り売り: 関税懸念が払拭されず57,500円に接近した場面では、上値の重さを確認してショート。
- リスク管理:
- 56,400円を割り込んだ場合は、短期的な調整トレンド入りと判断し、ロングポジションは損切り撤退とする。
米関税違法判決で不透明感後退:日経5.7万回復と自律反発の行方 のような法的な動きも一部で安心材料とはなるが、トランプ氏の「発言力」による短期的なボラティリティには最大限の警戒が必要だ。


