【2026-02-17の市況概要】 (Market Pulse)
本日の暗号資産市場は、米株市場の調整色を強く受け継ぐ形で軟調な展開となりました。ビットコイン(BTC)は前日比-1.70%の67,672ドルまで下落し、心理的・テクニカル的な節目であった68,000ドルのサポートラインを割り込んでいます。
マクロ環境では、VIX指数が20.29と警戒領域である20台に定着し、投資家のリスク回避姿勢が鮮明です。一方で、米10年債利回りは4.05%へと低下しましたが、ハイテク株比率の高いNasdaqが週間で-2.84%と不振を極めており、BTCはこの「金利低下」の恩恵よりも「株安(リスクオフ)」の引力を強く受けています。アブダビ政府系ファンドによるETF大量保有というヘッドライン級の好材料が出たにもかかわらず、市場心理(Sentiment Score: 32/Fear)を好転させるには至りませんでした。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
本日の下落を主導したのは、以下の2点に集約されます。
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ハイテク株との相関とVIXの上昇:
NasdaqのRSIが29.6と売られ過ぎ水準にあるものの、依然として下値を探る展開が続いています。以前の記事VIX21台へ急騰:ハーバード大BTC売却で6.8万ドルの攻防でも指摘した通り、VIXが20を超えると機関投資家はポートフォリオのリスク縮小(De-leveraging)に動く傾向があり、BTCもそのあおりを受けました。 -
68,000ドルサポートの崩壊:
これまで底堅く機能していた68,000ドルを明確に下抜けたことで、短期的なストップロス(損切り)が発動しました。アブダビのMubadalaやADIAがビットコインETFを合計10億ドル以上保有しているとの報道は長期的には極めてポジティブですが、現在の「恐怖」支配下の市場では、即座の価格押し上げ要因としては機能不全に陥っています。
昨日のシナリオ検証
昨日の分析における『Bear Scenario』が実現しました。
- 想定条件: 「ナスダックが続落し、リスク回避姿勢が強まる」
- 結果: Hit (的中)
- 要因分析: 想定通りハイテク株の調整が継続し、BTCはアブダビ関連の好材料を無視する形で下落しました。特に、重要視していた68,000ドルのサポート防衛に失敗したことが、テクニカル面での売り圧力を加速させる決定打となりました。この動きは、直近の米CPI鈍化でBTC6.8万ドル急反発で見られた一時的な楽観論が完全に後退したことを示唆しています。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 | 価格 | 変化 (1d) | コメント |
|---|---|---|---|
| Bitcoin (BTC) | $67,672 | -1.70% | 68k割れで下値模索。RSI 37.9は弱気だが、過熱感はない。 |
| Nasdaq (^IXIC) | 22,578 | +0.14% | RSI 29.6と売られ過ぎ水準。自律反発が入るかがBTCの命運を握る。 |
| VIX Index | 20.29 | -1.50% | 前日比では低下も依然20台。警戒モード継続。 |
| Gold (GC=F) | $4,896 | -2.51% | リスクオフの中で金も売られており、キャッシュ(現金)化の動きを示唆。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
短期シナリオ (24-48h)
現在の市場レジームは「下値模索」です。68,000ドルが今度はレジスタンス(上値抵抗線)として機能する公算が高く、短期筋は戻り売りのスタンスを強めています。
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メイン (Main): 66,500〜68,000ドルのレンジ形成
- 条件: VIXが20近辺で推移し、Nasdaqが大きく崩れない場合。
- 展開: 68,000ドルの早期奪還は難しく、売り圧力をこなしながら底固めを行う展開。66,500ドル付近には一定の買い需要が存在します。
- 確率: 60%
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アップサイド (Bull): 68,000ドル奪還と70,000ドルへの反発
- 条件: 米金利が4.0%を明確に割り込み、かつアブダビ政府系ファンドやMicroStrategyの買い材料が市場で再評価されること。
- ターゲット: ショートカバーを誘発し、70,000ドル台を回復。
- 確率: 20%
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ダウンサイド (Bear): 65,000ドルへの一段安
- 条件: Nasdaqが再度急落するか、FOMC議事録(2/18)でタカ派的なサプライズが出た場合。
- リスク: 66,500ドルの小幅なサポートを割り込むと、次の主要な節目である65,000ドルまで真空地帯となります。
- 確率: 20%
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着目イベント:
- FOMC議事録 (2/18): 今後の利下げペースに関するヒント。
- 米小売売上高 (2/17): 消費の強さがインフレ懸念を再燃させないか注目。
中期シナリオ (1-2 Weeks)
- 見通し: Bearish (弱気)
- 重要イベント: FOMC議事録、NVIDIA決算(市場センチメントの転換点になり得る)、米小売売上高。
- リスク: Coinbase決算ミスと米株急落の際に見られたように、個別企業の業績不安がマクロ全体へ波及するリスク。また、インフレ指標の再燃とリセッション懸念の「挟み撃ち」に注意が必要です。
【投資戦略】 (Outlook)
スタンス: 戻り売り (Sell Rallies) / 様子見
68,000ドルのサポート割れは、短期的にはトレンドの悪化を意味します。アブダビ等のファンダメンタルズ要因は強力ですが、現在の市場心理(Fear)では材料出尽くし、あるいは「流動性確保のための売り」が優先されがちです。
スイングトレーダーとしては、無理に底を拾いに行く局面ではありません。68,000ドル〜68,500ドルへの戻り局面では売りを検討し、明確に68,500ドルを実体で上抜けるまではショート目線を維持するのが合理的です。逆に、ロングのエントリーは65,000ドル近辺でのプライスアクションを確認してからでも遅くはないでしょう。
- レジスタンス (売りの目安): $68,000 – $68,500
- サポート (買いの検討): $66,500 (打診), $65,000 (本命)


