【2026-02-16の市況概要】 (Market Pulse)
本日の暗号資産市場は、方向感を欠く膠着状態が続いています。ビットコイン(BTC)は68,565ドル(前日比-0.32%)と横ばいで推移し、6.8万ドル台のサポートラインを試す展開です。一方、イーサリアム(ETH)は1,989ドル(+1.22%)と小幅に反発しましたが、依然として2,000ドルの心理的節目を下回っています。
マクロ環境では、米10年債利回りが4.06%へと低下(債券買い)しているものの、リスク資産への追い風にはなっていません。最大の懸念材料は「恐怖指数」とされるVIX指数の急騰です。VIXは前日比+2.91ポイント上昇し21.2に達しており、市場参加者の警戒感が「Fear(恐怖)」領域(Sentiment Score: 32)にあることを裏付けています。FOMC議事録の公表を目前に控え、機関投資家によるポジション調整が優勢となっています。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
市場の上値を重くしている主因は、「機関投資家のポートフォリオ調整」と「マクロ経済への警戒感」の複合要因です。
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機関投資家の売り圧力(ハーバード大学の動向):
市場心理を冷やした具体的な材料として、ハーバード大学がビットコイン保有量を20%削減したとの報道が挙げられます。米国の大学基金(エンダウメント)はスマートマネーの代表格であり、彼らの「利食い」あるいは「リスク回避」の動きは、他の機関投資家への売りシグナルとして機能しています。一方で、Metaplanetがビットコイン保有評価損として6億1900万ドルの損失を計上したことも、企業保有BTCのリスク側面を再認識させるニュースとなりました。 -
VIX指数の上昇とリスク回避:
S&P 500等の株式市場が軟調(Nasdaq -0.22%)である中、VIXが20を超えて推移していることは、投資家がダウンサイドリスクに対してヘッジコストを支払っていることを意味します。通常、米金利低下はBTCにとってポジティブですが、現在はリセッション(景気後退)懸念による金利低下の側面が強く、これがクレジットリスクへの警戒を高め、BTCの上値を抑えています。
昨日のシナリオ検証
昨日のメインシナリオ(条件:FOMC議事録待ちで積極的な売買手控え -> 68,500〜69,500ドルのレンジ推移)は的中しました。
要因分析: 想定通り、重要イベント前の様子見ムードが支配的でした。RSIが35付近の売られすぎ水準にあっても自律反発が弱かったのは、前述のハーバード大の売却ニュース等が重石となり、新規の買い材料が不足していたためです。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 | 価格 | 変化 (1d) | コメント |
|---|---|---|---|
| Bitcoin (BTC) | $68,565 | -0.32% | 6.8万ドルが岩盤サポート。ここを割れるとストップロス誘発の恐れ。 |
| Ethereum (ETH) | $1,989 | +1.22% | 小幅反発もトレンド転換には至らず。対BTCでの弱さは継続。 |
| VIX指数 | 21.20 | +15.9% (1w: +22%) | 警戒レベル。20超えの定着は、リスク資産全般の調整圧力を示唆。 |
| US 10Y Yield | 4.06% | -1.17% | 4%割れ目前。金利低下が「景気悪化」として解釈され始めている点に注意。 |
※VIX指数の動向とBTCの逆相関については、過去の分析 米金利急低下もVIX20台でBTC反落:7万ドル壁とApollo参入 でも詳細に解説しています。
【シナリオ分析】 (Scenarios)
短期シナリオ (24-48時間)
FOMC議事録(2/18)およびCPI関連指標の発表を通過するまで、積極的なポジション構築は期待しづらい状況です。
- メインシナリオ (確率 60%):
- 条件: VIXが高止まりし、新規の買い材料が出ない場合。
- 展開: 68,000ドル〜69,500ドルの狭いレンジでの横ばい推移。68,000ドル付近では押し目買いが入るものの、69,000ドル台後半では戻り売りが優勢となる膠着相場。
- アップサイド (確率 15%):
- トリガー: 米長期金利が4.0%を明確に割り込み、かつ株式市場が好感して反発した場合。
- ターゲット: ショートカバーを巻き込み70,000ドルの心理的節目を奪還、最大71,200ドル付近まで上昇。
- ダウンサイド (確率 25%):
- トリガー: VIXが22を超えて急騰、またはハーバード大に続く機関投資家の売却報道が出た場合。
- リスク: 68,000ドルのサポートを明確に下抜け、66,000ドル台まで下落加速。
- 着目イベント: 2/18 FOMC議事録、CPI m/m(前月比)。
中期シナリオ (1-2週間)
- 見通し: Neutral-Bearish (中立から弱気)
- 重要イベント: FOMC議事録 (2/18)、Nvidia決算(市場センチメントへの影響大)。
- リスク: リセッション懸念の再燃による、リスク資産全体からの資金流出(Cash is King)。特にMetaplanetのような企業の巨額損失計上は、企業によるBTC採用のモメンタムを一時的に冷やす可能性があります。
- 参照: 過去のCPI発表時の市場反応については 米CPI鈍化でBTC6.8万ドル急反発 を参照してください。現在の水準感は当時と類似しており、ボラティリティの拡大に備える必要があります。
【投資戦略】 (Outlook)
結論: 「様子見 (Wait)」または「レンジ下限での慎重な押し目買い」
現在の市場環境は、VIXの上昇が示す通り「不確実性」が高まっています。トレンドフォロワーにとってはエントリーしづらい環境であり、無理にポジションを持つ局面ではありません。スイングトレーダーは、以下の水準を意識した逆張り戦略が有効ですが、ストップロスは必須です。
- エントリー目安: 68,000ドル〜68,200ドル付近での打診買い。
- 利確ターゲット: 69,500ドル手前(短期)、71,000ドル(ブレイク後)。
- 撤退ライン (Stop Loss): 67,500ドル(サポート完全崩壊と判断し即座にカット)。
ハーバード大のポジション削減は「スマートマネーの逃避」を示唆している可能性があり、安易なロングは推奨されません。まずはFOMC議事録後の市場の反応を見極めるのが賢明です。


