【2026-02-16の市況概要】 (Market Pulse)
本日の日本市場は、米国市場がプレジデントデーによる休場で手掛かり材料を欠く中、方向感の定まらない展開が予想されます。日経平均株価は直近の急ピッチな上昇により、RSI(相対力指数)が72.1と「買われすぎ」の警戒水準に到達しています。
一方で、為替市場ではドル円が153.47円と円安基調を維持しており、これが輸出関連株の下支え要因として機能しています。週間で+4.71%という大幅上昇を記録した後の週明けであり、VIX指数が21.2と依然として高水準にあることから、高値圏での利益確定売りと押し目買いが交錯する「神経質な保ち合い」がメインシナリオとなります。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
1. テクニカル過熱感と米国休場の綱引き
最大の焦点は、日経平均の過熱感です。RSIが70を超えた局面では、通常、機関投資家によるポジション調整(利益確定)が出やすくなります。しかし、本日は米国市場が休場のため、海外勢のフローが限定的となり、売り崩すほどのエネルギーも不足しています。結果として、56,500円~56,800円のレンジ内での小動きに終始する可能性が高いでしょう。
2. 円安(153円台)による下値サポート
ドル円は、米金利動向(10年債利回り4.06%)を背景に底堅く推移しています。これまでの米CPI鈍化で円急騰153円台へといった動きから、再び円安方向へトレンドが回帰しており、自動車や機械セクターにとってはポジティブな材料です。ただし、テスラが欧州で「モデルY」を値下げしたとの報道(AUTOCAR JAPAN)があり、EV・自動車関連のセンチメントには一部不透明感も残ります。
3. VIX指数の高止まり(警戒シグナル)
VIX指数が21.2と「不安心理の節目」である20を超えて推移している点は無視できません。これは地政学リスクや、将来のボラティリティ上昇を市場が織り込み始めていることを示唆しており、先物主導での突発的な売り仕掛けには警戒が必要です。
昨日のシナリオ検証
昨日のメインシナリオ(条件:過熱感からの調整、56,000円台前半への軟化)は不発(Missed)となりました。
想定以上にドル円が153円台へと円安進行したことが輸出関連株への買い戻しを誘発し、日経平均の下値を強力にサポートしたためです。利益確定売りは出たものの、円安恩恵銘柄への資金シフトが相殺し、56,800円台での底堅い推移となりました。この動きは、米金利低下で152円台定着の分析で触れた通り、為替と株価の相関が再び強まっていることを示しています。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 (Asset) | 価格 (Price) | 変化 (Change) | コメント (Comment) |
|---|---|---|---|
| 日経平均 (Nikkei 225) | 56,806.41 | -0.24% | RSI 72.1。過熱感はあるが、56,000円台後半の岩盤は固い。 |
| ドル円 (USD/JPY) | 153.47 | +0.43% | 円安進行が日本株の生命線。153円台維持なら大幅調整は回避。 |
| VIX指数 | 21.20 | +2.91% | 1ヶ月で+33%急騰。ボラティリティ拡大への警戒が必要。 |
| WTI原油 | 63.73 | +1.34% | 中東情勢等の懸念で反発。エネルギー関連株には追い風。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
短期シナリオ(今後24-48時間)
- メイン (Main – 60%):
- 展開: 米国休場で新規材料難。テクニカル的な過熱感(RSI 72)を冷ますための日柄調整。
- ターゲット: 日経平均は56,500円~56,800円の狭いレンジでの保ち合い。積極的な売買は手控えられ、個別材料株(決算やニュース)への循環物色が中心。
- アップサイド (Bull – 20%):
- トリガー: ドル円が153円台後半へさらに上昇し、輸出企業の業績上振れ期待が再燃する場合。
- ターゲット: 利益確定売りをこなし、57,000円台を回復・定着。
- ダウンサイド (Bear – 20%):
- トリガー: VIX指数のさらなる上昇や、薄商いの中での先物への売り仕掛け。
- リスク: 節目の56,500円を明確に割り込んだ場合、ストップロスを巻き込み56,000円ラインを試す展開。
- 着目イベント: 特に大きな経済指標はないが、為替市場での突発的な動きに注意。
中期シナリオ(1-2週間)
- 見通し: Neutral (中立)
- 重要イベント: 2月18日のFOMC議事要旨、および今週後半の欧米PMI速報値。
- リスク: 米金利急低下で円高152円の局面があったように、米長期金利の再上昇とそれに伴うVIX指数の急騰が、グロース株(ハイテク)の逆風となるリスク。
【投資戦略】 (Outlook)
スタンス: 様子見(Wait)および「引きつけての押し目買い」
現在の水準(日経平均56,800円付近、RSI 72)での積極的な上値追いは、リスクリワードが見合いません。本日は米国休場で流動性が低下しているため、無理にポジションを構築する必要はないでしょう。
- 買い場: 短期的な調整で56,200円~56,400円付近まで下押した場面。円安トレンドが継続している限り、押し目買い意欲は旺盛です。
- リスク管理: VIXが20を超えている現状では、急なボラティリティ拡大に備え、ポジションサイズは通常より落とすことを推奨します。特にハイテク株は米金利動向に敏感なため、週後半のFOMC議事要旨までは慎重姿勢を崩さないことが賢明です。


