【2026-02-15の市況概要】
週明けの日本市場は、先週末からの米金利低下トレンドとそれに伴う円高圧力を重く見る展開が予想されます。
先週末の米国市場では、S&P500がほぼ横ばい(+0.05%)で推移した一方、ハイテク株比率の高いNasdaqは-0.22%と続落し、週間ベースでは-2.1%の調整となりました。特筆すべきは米10年債利回りの急低下であり、前日比-1.17%の4.06%まで水準を切り下げています。
これを受け、ドル円は152.62円まで円高が進行。日経平均株価の前営業日終値は56,941円(-1.21%)でしたが、CME先物等の動向を勘案すると、心理的節目の57,000円奪還は容易ではなく、むしろ下値の56,000円台前半を試す展開が視野に入っています。VIX指数も20.6と警戒水準に留まっており、ボラティリティの高まりには注意が必要です。
【相場変動の主因】
現在の市場を支配しているのは、「米金利低下に伴う日米金利差縮小」と、それが引き起こす「円キャリー取引の巻き戻し圧力」です。
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米金利とドル円の連動性:
米10年債利回りが週間で3.57%低下したことは、ドル円相場に直接的なインパクトを与えました。152円台半ばでの推移は、日本の輸出関連企業(特に自動車・機械セクター)の採算悪化懸念を直撃します。これまで日本株の上昇を支えてきた「円安プレミアム」が剥落しつつある状況です。
参考: 米金利急低下で円高152円:日経5.7万割れの調整とVIX20台 -
ハイテク株の調整:
NasdaqのRSIが33.6と売られ過ぎ水準に近づいているものの、AI・半導体セクターのモメンタム低下が鮮明です。これは東京エレクトロンやアドバンテストといった日経平均寄与度の高い値がさ株にとって、明確な重荷となります。
昨日のシナリオ検証
昨日のメインシナリオ(条件:米CPI通過後の金利低下圧力が続き、ドル円は152円台で推移)は的中(Hit)しました。
予測通り、米国のインフレ指標通過後も金利低下圧力が止まらず、ドル円が152円台に定着したことが、日経平均の上値を抑える直接的な要因となりました。予測レンジ(56,500円〜57,000円)に対し、着地は56,941円と、ほぼシナリオ通りの「輸出株の上値が重い展開」を辿っています。
【注目アセット】
| 資産 | 価格 | 変化(1D) | コメント |
|---|---|---|---|
| USD/JPY | 152.62 | -0.13% | 152円台定着。ここを割り込むと150円台への加速リスクあり。 |
| 日経平均 | 56,941.97 | -1.21% | 5日移動平均線からの乖離が拡大。56,500円が直近の下値目処。 |
| Nasdaq | 22,546.67 | -0.22% | 週間-2.1%の下落トレンド。RSI 33.6は自律反発の余地も示唆。 |
| VIX指数 | 20.60 | -1.06% | 依然として20台の高水準。リスクオフ警戒感は解けず。 |
【シナリオ分析】
短期シナリオ(今後24〜48時間)
今週はFOMC議事要旨や日米の重要イベントを週後半に控えており、週初は調整色が強い展開を想定します。
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メインシナリオ(確率 60%):
「円高・ハイテク安による続落」。
米金利低下による152円台の円高と、米国ハイテク株の調整が共振します。特に半導体・自動車株を中心に売りが先行し、日経平均は56,500円を割り込み、56,000円台前半へ軟化する公算が高いです。5日線が下向きで上値を抑える典型的な調整局面です。
参考: CPI通過で潮目変化:VIX20超と円高152円が告げる調整局面 -
アップサイドシナリオ(確率 25%):
「Nasdaq自律反発による下げ止まり」。
NasdaqのRSI(33.6)が売られ過ぎを示唆しており、ショートカバーによる自律反発が入るケースです。これに連動してドル円が153円台を回復すれば、日経平均は57,000円台を奪還・維持する可能性があります。ただし、積極的な上値追いの材料には欠けます。 -
ダウンサイドシナリオ(確率 15%):
「リスクオフ加速による節目割れ」。
VIX指数(20.6)が高止まりする中、地政学リスクや突発的なヘッドラインにより152円を明確に割り込む円高が進行した場合、パニック売りを誘発し、日経平均は心理的節目の56,000円を下抜けるリスクがあります。 -
着目イベント:
- 2月17日: 米小売売上高(Retail Sales m/m)- 消費動向が金利とドル円に与える影響を注視。
中期シナリオ(今後1〜2週間)
- 見通し: Neutral(中立・調整含み)
- 重要イベント: FOMC議事要旨(18日)、米GDP(20日)、米PCEデフレーター
- リスク: 米景気減速懸念(リセッション懸念)の再燃と、それに伴う急激な円キャリー取引の巻き戻し。
現在の調整は、上昇トレンドの中の健全な押し目というよりは、トレンド転換の可能性を含んだ不安定な局面です。米国の経済指標(特に週後半のGDPとPCE)次第では、金利低下が「良い金利低下(インフレ鎮静化)」から「悪い金利低下(景気後退)」へと解釈が変わるリスクがあります。
【投資戦略】
結論:戻り売り(Sell Rallies)基調を継続しつつ、突っ込み売りは回避。
現在の市場環境下では、ロングポジションの積み増しは推奨されません。特に輸出関連株や半導体株は、ドル円が152円台で推移する限り上値が重い展開が続きます。
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エントリー戦略:
日経平均が57,200円〜57,500円近辺まで反発した局面は、短期的な売りの好機と捉えます。逆に、56,000円割れの水準では、RSI等のオシレーターを確認しつつの打診買い(リバウンド狙い)も検討余地がありますが、基本はディフェンシブな姿勢を崩すべきではありません。 -
リスク管理:
- レジスタンス: 57,200円(短期的な上値抵抗線)
- サポート: 56,000円(心理的節目)
- 撤退ライン: ドル円が153.50円を明確に超えて上昇トレンドに回帰した場合は、ショートポジションを解消。
週後半に重要イベントが集中しているため、週初はポジションを軽くし、ボラティリティの上昇に備えることが肝要です。


