【2026-02-13の市況概要】 (Market Pulse)
本日の暗号資産市場は、重要イベントであった米消費者物価指数(CPI)の通過を契機に、力強い「安堵買い(Relief Rally)」の展開となった。
ビットコイン(BTC)は前日比+3.9%の68,801ドルまで急伸し、心理的節目かつテクニカル上の重要水準である68,000ドル台を回復。イーサリアム(ETH)も+5.16%(2,047ドル)とBTCを上回るパフォーマンスを見せている。
株式市場ではNasdaqが-0.22%と軟調であったにもかかわらず、暗号資産関連株(Proxy Stocks)は爆発的に上昇した。特にCoinbase(COIN)は決算ミスにもかかわらず+18%、MicroStrategy(MSTR)は+10%と急騰しており、株式市場の資金が「ハイテク全般」から「クリプト・セクター」へ選別的に還流している様子が窺える。
米10年債利回りが4.06%(-1.17%)へと低下したことがリスク選好度を改善させ、RSIが30台前半という「売られすぎ」水準にあった暗号資産市場にショートカバーを誘発した形だ。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
本日の急反発を主導したのは、マクロ経済の「安心感」と業界固有の「好材料」のコンビネーションである。
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米CPIの下振れと金利低下
2月の米CPI(消費者物価指数)は前年同月比2.4%となり、市場予想(2.5%)を下回った。インフレの鎮静化が確認されたことで、FRBによる金融引き締め懸念が後退。これを受け、米10年債利回りが4.06%まで低下し、無国籍通貨であるBTCの相対的魅力が高まった。これまで上値を抑えていたマクロの重石が取れたことが最大のドライバーである。 -
ブラジルの「国家ビットコイン準備金」構想
ブラジル議会で「国家準備金として最大100万BTC(約5年計画)を取得する」という法案が提案されたとの報道が、市場の需給思惑を刺激した。国家レベルでの採用期待は、ETFフロー停滞に苦しむ市場にとって強力なファンダメンタルズの支えとなる。 -
Coinbase株(COIN)のショートスクイズ
Coinbaseは第4四半期決算で市場予想を下回ったものの、株価は18%急騰した。これは「悪材料出尽くし」と捉えられたことに加え、米政府内での暗号資産法案(CLARITY Act等)の進展期待が背景にある。関連株の上昇が、原資産であるBTCへの資金流入を正当化した。
参考: Coinbase決算ミスと米株急落:BTC6.6万ドル割れ、CPI前の警戒
昨日のシナリオ検証
結果:Bullシナリオ的中
昨日の主要シナリオ(Main)では「CPI通過後の安堵買いによる反発」を想定していたが、実際の動きはBullシナリオに近い強さを示した。
* 要因: CPIが予想を下回るポジティブ・サプライズであったこと、および事前にRSIが30付近まで低下しており、売り圧力が枯渇していたタイミングでマクロの好転が重なったため、想定以上のショートカバー(空売りの買い戻し)が発生した。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 | 価格 | 変化率 | コメント |
|---|---|---|---|
| BTC/USD | $68,801 | +3.90% | 直近のレジスタンス68kを突破。RSIは31.6と依然低く、過熱感はない。 |
| ETH/USD | $2,047 | +5.16% | BTCに対しアウトパフォーム。月次-30%からの自律反発余地が大きい。 |
| Coinbase (COIN) | — | +18.0% | 決算後の悪材料出尽くし。セクター全体のセンチメントを牽引。 |
| US 10Y Yield | 4.06% | -1.17% | 4.1%割れでリスク資産に追い風。ドルの上値を抑制。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
CPI通過により不透明感は払拭されたが、月次でBTCは依然として-22.79%の調整局面にある。ここからのV字回復が本物か、単なるショートカバーかの見極めが重要となる。
短期シナリオ (24-48時間)
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メインシナリオ (確率 60%)
- 展開: 急騰後の調整をこなしつつ、68,000ドル台を固める展開。ボラティリティの低下と共に、アルトコインへの循環物色が始まる。
- 条件: 米金利(10年債)が4.1%以下で安定し、Coinbase等の関連株が大幅反落しないこと。
- ターゲット: 上値は心理的節目の70,000ドルへのトライ。下値は67,500ドルでのサポート確認。
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アップサイド (Bull) (確率 25%)
- 展開: ブラジルの準備金報道や米国の法整備期待がさらに高まり、70,000ドルを一気にブレイクする。
- トリガー: ETFへの大口資金流入の再開、または週末に向けたショート筋の完全撤退。
- ターゲット: 72,000〜73,000ドル。ここを抜けるとトレンド転換が確定する。
- 参考: 米暗号資産法案「CLARITY Act」:規制明確化でCOIN株は買いか
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ダウンサイド (Bear) (確率 15%)
- 展開: 週末を控えた利益確定売り、あるいは中東情勢などの地政学リスク突発による「全戻し」。
- トリガー: 70,000ドル手前での失速と、主要ハイテク株の崩れ。
- リスク水準: 66,000ドル割れでシナリオ崩壊。
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着目イベント: ECBラガルド総裁発言(2/14, 15)。ドルの方向性に影響を与える可能性がある。
中期シナリオ (1-2週間)
- 見通し: Neutral-Bullish (中立から強気)
- 重要イベント:
- 小売売上高 (2/17): 消費の堅調さが確認されれば「ソフトランディング期待」でプラスだが、強すぎると「インフレ再燃懸念」でマイナス。
- FOMC議事録 (2/18): 利下げパスの再確認。
- リスク: RSIのダイバージェンス解消後の再下落。特に月足レベルでの下落トレンドライン(72,000ドル付近)での戻り売り圧力に警戒が必要。
参考: BTC7万ドルV字回復:米雇用指標悪化とMSTR急騰の連動
【投資戦略】 (Outlook)
- スタンス: 押し目買い (Buy Dips)
- 戦略根拠:
CPIという最大のイベントリスクを通過し、市場心理(Sentiment Score: 42)は「恐怖」から脱しつつある。RSI(日足)が31.6と依然として売られすぎ水準にあり、テクニカル的にもリバウンド余地が残されている。短期的にはショートポジションの踏み上げが継続しやすい地合いだ。 - エントリー/エグジット:
- エントリー: 67,800ドル〜68,200ドルのゾーンでの押し目狙い。
- ターゲット: 第一目標 70,000ドル、第二目標 71,800ドル。
- ストップロス: 直近安値サポートラインを明確に割る 65,500ドル に設定。この水準を割れると、今回のCPI反発が「騙し」であった可能性が高まる。


