【2026-02-12の市況概要】
昨日の上海総合指数は前日比+0.05%の4134.02ポイントで引け、底堅い推移を見せた。しかし、その後の米国市場ではNasdaqが-2.03%と急落し、VIX指数(恐怖指数)は20.82(前日比+17.96%)へと急騰している。
この外部環境の急激な悪化(リスクオフ)に対し、中国市場独自の好材料である「米中通商休戦の延長観測」と「人民元高(6.90)」がどこまで緩衝材として機能するかが本日の焦点となる。香港ハンセン指数(HSI)は昨日すでに-0.86%と軟化しており、本日は米国ハイテク株安の直接的な波及が警戒される中、上海市場は節目の4100ポイントを死守できるかが試される展開となる。
【相場変動の主因】
1. 米国発の「リスクオフ」波及
米国市場ではS&P500が-1.57%、Nasdaqが-2.03%と大幅安となった。米10年債利回りが4.10%(-1.63%)へ低下したにもかかわらず株が売られた動きは、金利低下を好感する段階を超え、成長懸念あるいは純粋なポジション調整のパニック売り(VIX 20台乗せ)を示唆している。これは通常、高ベータである香港ハイテク株や、リスク資産全般への強い逆風となる。
2. 米中関係の「雪解け」と人民元高
一方で、James Zimmerman氏による「2026年を米中関係の『ビジョンの年』に」という提言や、通商休戦報道が市場心理を下支えしている。これに呼応するように、USD/CNYは6.90まで元高が進行しており、キャピタルフライト懸念を後退させている。この通貨高が、海外株安ショックに対する防波堤として機能する公算が高い。
昨日のシナリオ検証
昨日(2月12日)のメインシナリオ(条件:米株急落が重荷も、通商休戦期待と元高が下支え -> 売り先行後は4100-4140のレンジで神経質な展開)は的中した。
- 要因分析: 想定通り、米国の不安定さを嫌気する売りが出たものの、人民元が6.90台へ突入する通貨高進行が国内投資家の安心感を醸成し、上海総合は4134ポイントとレンジ上限付近での引けとなった。この動きは、米中休戦延長とGLM-5:人民元6.91突入で上海株は底堅い推移で指摘した通り、通貨高が株価のサポートとして機能した結果である。
【注目アセット】
| 資産 | 価格 | 変化 (1D) | コメント |
|---|---|---|---|
| 上海総合 (SSEC) | 4,134.02 | +0.05% | 米株安を受けギャップダウンスタートが予想されるが、4100のサポート強度が鍵。 |
| 香港ハンセン (HSI) | 27,032.54 | -0.86% | 米ハイテク株安の影響を最も受けやすい。27,000割れを回避できるか正念場。 |
| USD/CNY | 6.9000 | -0.15% | 昨日の元高進行はポジティブ。6.90以下の水準を維持できれば、株価の下値は限定的。 |
| VIX指数 | 20.82 | +17.96% | 20超えは警戒水準。短期的なパニック売りのリスクを示唆しており、ボラティリティ上昇に注意。 |
【シナリオ分析】
短期シナリオ (24-48h)
米CPI(2/13)を控え、積極的な買いは手控えられやすい環境。
- メイン (50%): 米国株急落を受け売り先行で始まるが、人民元高と政策期待(半導体基金等)が下値を支える。4100-4130のレンジで推移し、大崩れは回避する。
- アップサイド (20%): アリババのAIモデル(Qwen)やByteDance/Pony AI関連の好材料が海外安を相殺。押し目買いが優勢となり、4140-4150を回復する。
- ダウンサイド (30%): VIX急騰による世界的なリスク回避圧力が勝り、香港市場が崩れることで上海も連れ安。節目の4100を明確に下抜け、4080付近まで調整。
- 着目イベント: 米CPI(消費者物価指数) – 2月13日発表。結果次第で米金融政策の思惑が揺れ、週明けの市場に決定的な影響を与える。
中期シナリオ (1-2 Weeks)
- 見通し: Neutral
- 重要イベント: 3月の全人代(NPC)に向けた具体的な財政出動の観測報道。米中首脳会談後の実務者協議の進展。
- リスク: 米インフレ再燃によるFRBのタカ派化と、それに伴うドル高・元安への回帰。
【投資戦略】
結論: 「押し目買い(慎重)」および「レンジ内での逆張り」
外部環境(米国株)の悪化は著しいが、中国固有のファンダメンタルズ(元高・政策期待)は改善傾向にある。上海半導体基金増額で4100維持の分析にある通り、政策的な下支えが期待できるセクターへの選別投資が有効。
- エントリー: 上海総合 4100-4110ゾーンでの押し目買いを検討。ただし、VIXが高止まりしているため、フルポジションは避ける。
- リスク管理: 4080を明確に下回った場合は撤退(ストップロス)。上値は4160付近で利益確定を推奨。
- セクター: 米金利低下恩恵よりも、国内政策(半導体・AI)や内需(「シルバーエコノミー」関連)に資金をシフト。


