【2026-02-09の市況概要】 (Market Pulse)
中国(CN)市場は、ハイテク主導の強力なリスクオン相場となり、上海総合指数は前日比+1.41%の4,123.09ポイントで引け、心理的節目の4,100を明確に上抜けた。香港ハンセン指数(HSI)も+1.76%と連れ高し、27,000台を回復している。
この上昇は、ByteDanceのAI新モデル発表やPony AIのロボタクシー量産化といった具体的な技術革新ニュースが、投資家の「内需停滞懸念」を払拭したことに起因する。また、日本の日経平均が+3.89%と急騰するなどアジア全体のセンチメント改善も追い風となった。為替市場ではUSD/CNYが6.92水準で安定推移しており、人民元安圧力の緩和が海外勢の資金流入を後押ししている。
一方で、米国の重要指標(CPI等)発表を週内に控え、上値追いの勢いがどこまで続くかが焦点となる。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
本日の上海市場のブレイクアウトは、以下の複合要因による「質への逃避」ならぬ「成長への回帰」である。
- ハイテク企業の技術革新(AI・自動運転):
ByteDanceによる生成AIモデルの進展や、Pony AIのロボタクシー事業拡大のニュースは、中国ハイテク企業のファンダメンタルズに対する再評価を促した。これは単なる期待感ではなく、実需を伴う成長ストーリーとして認識され、関連銘柄への資金流入を加速させた。 - 自動車輸出の好調(対ブラジル):
1月のブラジル向け自動車輸出で中国がアルゼンチンを抜きトップに立ったとの報道は、EVを含む中国製自動車の国際競争力を再確認させた。内需の弱さを外需でカバーできるとの見方が、製造業セクターの買い安心感に繋がっている。 - 人民元の安定(6.92水準):
USD/CNYが6.92付近で落ち着いていることは、キャピタルフライト(資本逃避)懸念を後退させ、海外機関投資家の中国株へのアロケーション引き上げを正当化した。
これらの一連の動きについては、過去の分析上海総合4100奪還:米株安とのデカップリングとEV不振消化の強さでも指摘していた「EV不振消化後の強さ」が具現化した形と言える。
昨日のシナリオ検証
昨日のメインシナリオ(Condition: 4050-4080のレンジ推移)は [Missed] となり、強気シナリオ(Bull Scenario)が実現した。
要因分析: 想定以上の「ハイテク関連の好材料(AI/自動運転)」と「人民元高の進行」が、ショートカバー(空売りの買い戻し)を誘発したためである。レンジ上限と見ていた4080を勢いよく突破したことで、テクニカル的な買い(踏み上げ)が加速し、指数を4123まで押し上げた。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 (Asset) | 価格 (Price) | 変化 (Change) | コメント (Comment) |
|---|---|---|---|
| Shanghai Comp | 4,123.09 | +1.41% | 4100をブレイク。RSIは51.3と過熱感なく、上昇余地あり。 |
| USD/CNY | 6.92 | -0.23% | 元高進行。海外資金流入の呼び水となり、株価を下支え。 |
| Hang Seng (HSI) | 27,027.16 | +1.76% | ハイテク比率高く、AI関連ニュースに敏感に反応。27k回復。 |
| Gold | 5,084.20 | +2.69% | リスクオンの中でも買われる「質への逃避」とインフレヘッジの両立。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
RSIが51付近と中立水準にあり、テクニカル面での過熱感はない。しかし、明日以降の米国CPI(消費者物価指数)発表を前に、積極的な上値追いは手控えられやすい。
短期シナリオ (Short-term: 24-48h)
- メイン (Main):
- 条件: AI・自動運転関連への期待継続も、翌日の米重要指標(CPI等)を控え様子見ムードが広がる。
- 展開: 4100台前半で底堅く推移。利益確定売りをこなしながら、4,120-4,150レンジでの揉み合いを想定。
- 確率: 50%
- アップサイド (Bull):
- 条件: 人民元が6.90方向へさらに増価し、海外勢の追随買いが加速する場合。
- ターゲット: ショートカバーを巻き込み、上海総合指数は4,180-4,200ゾーンへ伸長。
- 確率: 30%
- ダウンサイド (Bear):
- 条件: 日本の政治情勢(高市新首相への警戒)や、パナマ運河・南シナ海などの地政学リスクが意識される場合。
- リスク: リスク回避売りが優勢となり、ブレイクアウト地点の4,080付近まで調整(リテスト)。
- 確率: 20%
- 着目イベント: 米CPI/PPI発表 (2/11-13)。特にCPIの結果次第で、米金利上昇→ハイテク株調整の波及リスクに注意。
中期シナリオ (Mid-term: 1-2 Weeks)
- 見通し: Bullish (強気)
- 重要イベント: 米CPI/PPI発表、全人代(NPC)に向けた政策期待。
- リスク: トランプ政権による関税・外交圧力など、米中対立の再燃リスク。
- 参考: 米株爆騰も上海独歩安:CPI控え4050攻防と構造的懸念(以前の懸念シナリオとの対比に参照)
【投資戦略】 (Outlook)
スタンス: 押し目買い (Buy Dips)
上海総合指数が重要なレジスタンスであった4,100を明確に上抜けたため、トレンドは強気に転換したと判断する。ただし、今週は米国のインフレ指標(CPI/PPI)という外部変数が控えており、ボラティリティが高まる可能性がある。
- エントリー戦略: 高値掴みを避け、4,080 – 4,100ゾーンへの調整局面(リテスト)があれば積極的に買い向かう。
- 利益確定: 短期的には4,150近辺。ここを抜ければ4,200が視野に入る。
- ストップロス: ブレイクアウトの根拠が崩れる4,050割れで撤退。
米株急騰と米中雪解け:上海4100回復試す展開とVIX急落で触れた通り、VIXの低下(17.36)は市場全体の落ち着きを示唆しているが、個別材料(AI/自動運転)による選別色は強まるだろう。インデックス買いよりも、好材料が出たハイテク・自動車関連へのセクター買いが有効となる。


