【2026-02-09の市況概要】 (Market Pulse)
2月9日の日本市場は、極めて強力な「リスクオン」相場となりました。日経平均株価は前日比+3.89%という驚異的な上昇を見せ、56,363円で取引を終了しました。これは短期的なショートカバーに加え、政権安定化を好感した海外投資家による実需買いが流入した結果と分析されます。
一方で、ドル円(USD/JPY)は155.80円と小幅に円高方向(-0.63%)へ推移しました。通常、円高は株安要因となりますが、今回はそれを完全に凌駕する日本株への買い圧力が確認されました。VIX指数は17.36まで急低下(-14.78%)しており、市場の恐怖感は払拭され「Extreme Greed(極度の強気)」状態にあります。ただし、RSIが約69と買われすぎ水準に接近しており、週半ばの米重要指標(CPI)を前に、一旦のスピード調整が入る可能性も否定できません。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
本日の記録的な上昇を牽引したのは、以下の3つの複合要因です。
-
政権安定化による「日本株再評価(Re-rating)」:
衆院選通過後の政権基盤安定化を受け、不透明感を嫌気していた海外勢が一斉に買い戻しに動きました。特に、これまで出遅れていた大型株への資金流入が顕著です。これに関しては、衆院選・自民圧勝×米ハイテク株高:日経平均5.5万回復と円安の行方でも指摘した通り、政治リスクの後退が最大のカタリストとなっています。 -
米金利低下とハイテク株選好:
米10年債利回りが4.20%へと低下(前日比-0.19%)したことで、バリュエーション面での安心感が広がり、日本の半導体・ハイテク関連株が指数を押し上げました。 -
大規模なショートスクイズ:
55,000円の節目を超えたところで、売り方の買い戻し(踏み上げ)が連鎖的に発生し、真空地帯を駆け上がる形で56,000円台までオーバーシュートしました。
昨日のシナリオ検証
昨日のメインシナリオ(Bull: 56,000円台回復)は【実現】しました。
- 要因分析: 想定通り、政権安定化期待を背景とした海外勢の買い越しと、米株高に連動したモメンタムが維持されました。特に、ドル円が155円台へとやや円高に振れたにもかかわらず、日本株独自の強さが発揮された点は、米株急騰×衆院選:日経平均5.5万回復と「円安維持」の攻防で懸念された為替感応度を凌駕する資金流入があったことを示唆しています。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 (Asset) | 価格 (Price) | 変化 (Change) | コメント (Comment) |
|---|---|---|---|
| Nikkei 225 | 56,363.94 | +3.89% | RSI 68.8。過熱感あるもモメンタム最強。56k定着が焦点。 |
| USD/JPY | 155.80 | -0.63% | 米金利低下に連動し軟調。155円割れなら株価の重しになるリスク。 |
| US 10Y Yield | 4.20% | -0.19% | 金利低下はハイテク株に追い風。米CPI待ちで動きにくい展開へ。 |
| Gold | 5,084.20 | +2.69% | リスクオンの中でも上昇。インフレヘッジ需要根強く、最高値圏推移。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
短期シナリオ(今後24-48時間)
今週は米消費者物価指数(CPI)の発表(2/11)を控えており、ここからの上値追いは慎重さが求められます。
- メインシナリオ(確率 60%): 高値圏での膠着・スピード調整
- Condition: 急騰後のRSI過熱感(約69)と、CPI待ちの様子見ムードが支配的になる場合。
- Action: 利益確定売りと押し目買いが56,000円台前半で交錯し、ボラティリティが低下する。
- Bullシナリオ(確率 20%): 57,000円トライ
- Condition: 海外勢の買い越しが止まらず、米ハイテク株(Nasdaq)がさらに一段高となる場合。
- Target: 売り方の完全撤退を巻き込み、57,000円の大台を試す。
- Bearシナリオ(確率 20%): 窓埋めの調整
- Condition: ドル円が155円を明確に割り込み、円高が加速する場合。または米金利の突発的な上昇。
- Risk: リスク回避売りが優勢となり、急騰で作った窓を埋めに55,500円付近まで調整する。
着目イベント:
* 2/11 米CPI発表: 今週最大のリスクイベント。結果次第でトレンドが急変する可能性があります。
* 2/12 米GDP: 米国経済のソフトランディングシナリオを確認する上で重要です。
中期シナリオ(1-2週間)
- 見通し: Bullish(強気)
- 重要イベント: 米CPI・小売売上高 (2/11-13)、米GDP (2/12)
- リスク: インフレ再燃による米金利の反転上昇。これが起きれば、現在のゴルディロックス相場(適温相場)が崩れ、ハイテク株中心に調整が入る公算が高いです。
【投資戦略】 (Outlook)
スタンス: 押し目買い(Buy Dips) / CPI前はポジション調整推奨
短期的には「Extreme Greed」の領域にあるため、現水準からの積極的な上値追いは推奨しません。スイングトレーダーにとっての妙味は、過熱感が和らぐ押し目にあります。
- エントリー戦略:
- 55,500円 – 56,000円ゾーンへの調整があれば、押し目買いの好機と見ます。ここは昨日のブレイクアウト水準であり、サポートとして機能しやすい価格帯です。
- リスク管理:
- 155.00円のドル円サポートラインを注視してください。これを割り込む円高進行は、日本株の利益確定売りのトリガーとなります。
- 米CPI発表(2/11)前には、ボラティリティ上昇に備えてポジションサイズを縮小するか、ヘッジを入れることが賢明です。
結論:
基調は強いものの、一本調子の上昇は期待しづらい週半ばとなります。ダウ5万ドル到達の衝撃でも触れた通り、世界的な株高トレンドは継続していますが、イベントリスクを前にした「凪」の時間を活用し、冷静に次のエントリーポイントを探るべき局面です。


