【2026-02-08の市況概要】
週明けの日本市場は、週末に実施された衆議院選挙での自民党圧勝と、金曜日の米国市場におけるハイテク株の急騰という「ダブル・エンジン」により、強力なリスクオン(選好)展開で幕を開ける公算が高い。
先週末の米国市場では、S&P500が前日比+1.97%の6,932pt、Nasdaqが+2.18%の23,031ptと大幅に上昇。これを受け、CME日経平均先物は既に大阪終値を大きく上回る水準で推移していると推測される。為替市場では、ドル円が157.31円まで円安が進行しており、輸出関連株への追い風は盤石だ。
特筆すべきは、これまで日本株の上値を抑えていた「政治リスク」が、自民党の単独過半数確保(圧勝)により完全に払拭された点である。高市政権による積極財政への期待感が再燃し、海外投資家の日本株再評価(Re-rating)が加速するフェーズに入ったと言える。
詳しくは 米株急騰×衆院選:日経平均5.5万回復と「円安維持」の攻防 でも解説しているが、今週は55,000円台の定着が焦点となる。
【相場変動の主因】
本日の相場を動かす主要因は、「政治的安定性の回復」と「米ハイテク株主導のリスクテイク」の共鳴である。
- 自民党圧勝による政治リスク後退:
選挙前の「与党過半数割れリスク」が消滅したことで、海外勢のショートカバー(売り持ちの買い戻し)が誘発される。特に高市政権が掲げる「積極財政・成長投資」への期待が、内需・外需双方の買い材料として機能する。 - 米ハイテク株高と円安の相乗効果:
Nasdaqの2%超の上昇は、AI・半導体セクター(東京エレクトロン、アドバンテスト等)への直接的な買い波及をもたらす。さらに、米金利(10年債利回り)が4.21%と底堅く推移していることで日米金利差が意識され、ドル円は157.31円の高値圏を維持。これが自動車株(トヨタ、ホンダ等)の収益上振れ期待を増幅させる。 - トヨタ自動車の新体制発表:
ニュースヘッドラインにある通り、トヨタが佐藤社長の副会長就任と近健太CFOの新社長昇格を発表。財務規律と成長戦略のバランスを重視する「二頭流」体制への移行は、日本株全体のガバナンス改革期待を支えるポジティブ材料と捉えられる。
昨日のシナリオ検証
前回の分析におけるメインシナリオ(条件:与党の安定多数確保と米株堅調)に対し、結果は「Bull Scenario(強気シナリオ)」が実現した。
要因は、市場予想を上回る自民党の圧勝である。これにより、最も懸念されていた「政局の混乱による政策停滞リスク」が排除されたことが、想定以上の投資家心理改善(Sentiment Score: 78 “Greed”)に繋がり、寄り付きからのギャップアップを正当化している。
【注目アセット】
| 資産 | 価格 | 変化 | コメント |
|---|---|---|---|
| USD/JPY | 157.31 | +0.34% | 157円台定着は輸出株の強力な支援材料。158円トライも視野に。 |
| Nikkei 225 | 54,253.68 | +0.81% | 先週末終値。本日は55,000円台回復から、どこまで上値を伸ばせるかの勝負。 |
| Nasdaq | 23,031.21 | +2.18% | RSI 43.1と過熱感はなく、押し目買い意欲が強い。日本の半導体株を牽引。 |
| トヨタ (7203) | – | – | 新経営体制発表と円安進行で、相場の牽引役として注目。 |
【シナリオ分析】
短期シナリオ(24〜48時間)
- メインシナリオ(確率 60%):
自民党圧勝を好感した海外勢の買いと、米株高によるハイテク株への資金流入が合致し、ほぼ全面高の展開。日経平均は心理的節目の55,000円を軽々と回復し、55,500円〜55,800円のレンジを目指す。円安(157円台)が下値を支えるため、押し目は限定的。 - アップサイド(確率 25%):
積極財政への期待が過熱し、ドル円が158円を突破した場合、先物主導でショートカバーが加速する。この場合、日経平均は56,000円の大台を回復する可能性がある。ダウ5万ドル到達の地合いも追い風となる(参照: ダウ5万ドル到達の衝撃:衆院選通過で日経5.5万へ急伸か)。 - ダウンサイド(確率 15%):
「材料出尽くし」による利益確定売りが先行するパターン。または、財政規律への懸念から国内長期金利(JGB 10Y)が急騰し、バリュエーション調整圧力がかかる場合。55,000円回復後に失速し、54,000円台前半へ押し戻されるリスク。 - 着目イベント:
今夜の米国市場の動向と、明日発表される日本のGDP速報値に対する市場の事前反応。
中期シナリオ(1〜2週間)
- 見通し: Bullish(強気)
- 重要イベント:
- 2/11(水): 米CPI(消費者物価指数) – インフレ再燃懸念がリスク要因。
- 2/12(木): 日本のGDP – 国内景気の底堅さを確認できるか。
- リスク:
米CPIが予想を上回り、FRBの利下げ期待が後退することによる米金利上昇と株価調整。また、日本の長期金利上昇が国内グロース株の重荷となる展開。
【投資戦略】
- 推奨スタンス: 「押し目買い(Buy Dips)」
- 戦略骨子:
選挙通過によるアク抜けと円安進行は、スイングトレーダーにとって絶好の買い場を提供する。特に寄り付きで大きく上昇した場合、飛び乗りは避け、前場中盤の調整局面(利食い売り)を待ってエントリーすることを推奨する。
セクターとしては、円安恩恵のある「自動車・機械」と、米ナスダック連動の「半導体・ハイテク」のバーベル戦略が有効。 - リスク管理:
日経平均 54,000円を明確なサポートラインとし、ここを割り込んだ場合は「材料出尽くし」と判断して撤退(ストップロス)を検討する。また、水曜日の米CPIを控え、火曜日の大引けにかけてはポジション調整の売りが出やすい点に留意されたい。


