【2026-01-29の市況概要】
本日の日本市場は、米国の重要イベントを控え、神経質な展開が予測されます。
昨晩の米国市場では、Nasdaqが0.72%下落しハイテク株中心に調整が入りました。特筆すべきは債券市場の動きで、米10年債利回りが4.23%へ急低下(-0.56%)したにもかかわらず、株価への追い風とならなかった点です。一方で、金価格(Gold)は2.06%上昇し最高値圏を更新、VIX指数も16.88(+3.24)へ急騰しており、市場のセンチメントは「Greed(強欲)」を維持しつつも、質への逃避(Flight to Quality)の側面を強めています。
日経平均株価は53,375.60円(+0.03%)と横ばい圏で引けましたが、内容はグロース売り・バリュー(内需)買いの循環物色による綱引き状態です。
【相場変動の主因】
現在の相場を動かしている主要因は、「スタグフレーション懸念による安全資産シフト」と「国内独自の政策期待」の2点です。
- 米金利低下とリスクオフの共存:
通常、米金利の大幅低下(TNX: -0.56%)はハイテク株のバリュエーション向上に寄与しますが、今回は金価格(+2.06%)や原油(+3.64%)の同時高を伴っています。これはインフレ再燃懸念と景気減速懸念が混在しており、投資家が「株」から「実物資産・債券」へ資金を一部逃避させていることを示唆しています。 - 「食料品消費税ゼロ」議論による内需選好:
ハイテク安の重しに対し、日本株を下支えしているのが国内の政策期待です。「食料品消費税ゼロ公約」に関する報道を受け、イオンやライフコーポレーション、ヤオコーといったスーパーマーケット関連株が決算期待とともに買われています。これが日経平均の下値を固める要因となりました。
昨日のシナリオ検証
昨日のメインシナリオ(条件:米金利上昇による株高)は不発(Miss)となりました。
要因分析:
想定に反して米10年債利回りが大幅に低下したこと、およびそれがハイテク株の上昇につながらず、むしろ調整売りを誘発したことが主因です。一方で、弱気シナリオの要素であった「ハイテク調整(Nasdaq -0.72%)」と「金価格上昇」は的中しました。日経平均が大きく崩れなかったのは、前述の食料品減税報道による小売株への資金流入という、新たな内需支援材料が出現したためです。
【注目アセット】
| 資産 | 価格 | 変化 | コメント |
|---|---|---|---|
| Gold (GC=F) | $5,410.8 | +2.06% | インフレ警戒と地政学リスクにより資金流入が加速。青天井の様相。 |
| US 10Y Yield | 4.230% | -0.56% | 急激な低下。債券買い(リスク回避)の動きが鮮明。 |
| VIX Index | 16.88 | +3.24 | 警戒水準への急上昇。ボラティリティ拡大の予兆。 |
| USD/JPY | 153.10 | +0.43% | 金利低下にも関わらず底堅いが、CPI次第で円高リスク残存。 |
【シナリオ分析】
短期シナリオ(24-48時間)
本日は東京消費者物価指数(CPI)の発表(明日朝)を控えたポジション調整が主体となります。
- メインシナリオ(確率 50%)
- 条件: 東京CPI待ちの様子見ムード + 食料品減税期待による内需買い。
- 展開: 米ハイテク安の影響で半導体関連は上値が重いが、スーパー・小売等の内需株が指数を支える。53,300円水準での底堅いレンジ相場を想定。
- アップサイド(確率 20%)
- 条件: 米金利低下が遅れて好感され、ハイテク株に押し目買いが入る場合。
- ターゲット: 53,800円のレジスタンスラインを試す展開。
- ダウンサイド(確率 30%)
- 条件: 金価格急騰(インフレ懸念)に加え、東京CPIが上振れし、日銀の早期正常化観測が強まる場合。
- リスク: 円高進行とリスク回避売りが重なり、52,500円方向への調整。
中期シナリオ(1-2週間)
- 見通し: Neutral(中立)
- 重要イベント: 東京CPI (1/30)、FOMC (1/29)、米雇用統計 (2/3)。
- リスク: インフレ再燃(原油・金高)によるスタグフレーション懸念と、それに伴う円高反転リスク。長期的な視点での日本株の構造的な強さについては、日本株「5万円時代」の正攻法:為替と海外勢の需給から掴む合理的勝機にて詳述しています。
【投資戦略】
結論:様子見(Wait & See)および 押し目買い(Buy Dips – 内需限定)
VIXの上昇と金価格の急騰は、市場の不確実性が高まっている明確なシグナルです。積極的に上値を追う局面ではありません。
特にハイテク・グロース株については、米金利低下が「景気後退シグナル」と受け取られている可能性があるため、Apple好決算とイラン情勢:CPI3.8%下のハイテク株戦略等で示唆される個別要因を確認するまで慎重姿勢を推奨します。
- エントリー戦略: 53,000円近辺までの押し目があれば、食料品減税関連の内需株や、ディフェンシブ銘柄を拾う戦略が有効。
- リスク管理: 日経平均 52,800円 を明確に割り込んだ場合、短期的な上昇トレンドの崩壊とみなし、ポジションを縮小(ロスカット)すること。東京CPI発表後の為替の急変動(円高方向)には最大限の警戒が必要です。


