【2026-01-26の市況概要】 (Market Pulse)
26日の中国(CN)市場は、強弱材料が拮抗し、方向感に乏しい展開となった。上海総合指数は前日比-0.09%の4132.6ポイントで取引を終了。週間では+0.45%、月間では+4.37%と上昇トレンドを維持しているものの、RSIは73付近の過熱圏から62.9へ低下し、健全な「日柄調整」の様相を呈している。
米国市場ではS&P 500が+0.5%と堅調で、VIX指数も16.15と低位安定しているが、中国市場は来週のFOMC(28-29日)および春節(旧正月)連休を控えたポジション調整圧力が上値を抑えた。一方で、人民元相場(USD/CNY)は6.95と安定的に推移しており、資金流出懸念は限定的である。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
本日の市場を支配した主な要因は、「AI政策への期待」と「政治的引き締めの警戒感」の綱引きである。
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AI・テック関連の好材料:
習近平国家主席がAI技術の重要性を強調したことに加え、中国発の動画生成AI「Kling」がOpenAIの「Sora」に対抗しうるとの報道(AI video generation: How China’s Kling challenges Google’s Veo)が、BaiduやTencentなどハイテク株の下値を支えた。これは構造的な買い需要を生んでいる。 -
政治的ノイズと地政学リスク:
一方で、軍高官の更迭報道による政治的引き締めが投資家心理(Sentiment Score: 68/Greed)に冷や水を浴びせた。また、カナダ・Carney氏による「ミドルパワーの第三の道」提言や、EUとの貿易摩擦懸念など、外部環境の不透明感も積極的な買いを手控えさせる要因となった。
昨日のシナリオ検証
昨日のMain Scenario(過熱感による高値圏でのもみ合い、4130-4160レンジ)は【的中 (Hit)】した。
要因は、テクニカル面での過熱感解消ニーズ(RSI調整)が機能したことにある。AI関連のニュースフローが下値を支えた一方で、軍部粛清に関する報道が上値を抑制し、想定通りのナローレンジでの推移となった。詳細は賃上げ期待で上海4136pt:半導体・EV好調もRSI73の過熱感でも触れた通り、過熱圏からの健全な調整が進んでいる。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 | 価格 | 変化 (1D) | コメント |
|---|---|---|---|
| Shanghai Comp | 4132.60 | -0.09% | 4150の抵抗帯を前に足踏み。RSI62.9は押し目買いを正当化する水準へ軟化。 |
| USD/CNY | 6.9500 | -0.26% | 元高方向への推移はポジティブ。7.00以下の維持は海外勢の安心感に繋がる。 |
| Gold (GC=F) | 5004.80 | +0.57% | 5000ドルの大台を突破。地政学リスク(中東・軍事粛清)へのヘッジ需要が継続。 |
| Hang Seng (HSI) | 26765.52 | +0.06% | 上海同様に横ばい。テック株比率が高く、米金利(10年債4.21%へ低下)の恩恵を受けやすい。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
短期シナリオ (今後24-48時間)
FOMCを目前に控え、ボラティリティの低下とレンジ内推移を基本線とする。
- メイン (Main – 60%):
AI推進策への期待が底堅さを維持するものの、春節前の手仕舞い売りも出るため、4120-4150の狭いレンジで推移する。RSIは60台前半での「値固め」が続き、エネルギーを蓄積するフェーズ。 - アップサイド (Bull – 25%):
TencentやBaiduのAI新機能発表などの個別材料、あるいはUSD/CNYのさらなる元高進行(6.93割れ)があれば、センチメントが改善。直近抵抗帯の4150をブレイクし、4180-4200ゾーンを目指す展開。 - ダウンサイド (Bear – 15%):
軍部腐敗摘発の拡大懸念や、対中貿易規制(関税)に関する突発的なヘッドラインが出た場合、短期筋の利益確定売りが加速。心理的節目の4100を割り込み、4050付近まで深めの調整が入るリスクがある。 - 着目イベント: CB消費者信頼感指数(米)、FOMC結果(日本時間29日未明)。
中期シナリオ (1-2週間)
- 見通し: Bullish(強気)
- ロジック: 月間+4.37%のモメンタムは崩れていない。春節前の人民銀行による流動性供給(お年玉需要対応)と、好調が予想される中国製造業PMIが支援材料となる。
- リスク: 米中対立の再燃(トランプ氏周辺のタリフ発言等)、および春節休暇中の海外市場急変リスク。
【投資戦略】 (Outlook)
結論:押し目買い (Buy Dips) / レンジトレード
現在の市場は「上昇トレンド中の一服」であり、トレンド転換ではない。RSIの調整が進んだことで、新規エントリーのリスクリワードは改善している。
- エントリー: 上海総合指数の4100-4120ゾーンへの押し目は絶好の買い場となる。
- 利益確定: レンジ上限の4150-4160付近では、短期ポジションの一部利益確定を推奨。
- 損切りライン: トレンドラインが崩れる4080割れで撤退。
軍事・政治的なノイズには注意が必要だが、AIという強力なテーマと、元高による資金流入期待がある限り、過度な悲観は不要である。前回レポート上海株4130台維持:フィンランド首相訪中とRSI72の過熱感で指摘した通り、外交イベントも一定の下支え要因として機能し続けるだろう。


