【2026-01-23の市況概要】 (Market Pulse)
本日の中国株式市場は、ファンダメンタルズの改善と地政学リスク後退への期待感が交錯し、堅調な推移を見せた。上海総合指数は前日比+0.33%の4136.16ポイントで取引を終え、週間では+0.84%の上昇を記録している。香港ハンセン指数も26749.51(+0.45%)と続伸し、米中関係の緊張緩和期待がセンチメントを押し上げた。
特筆すべきは、市場心理が「Greed(強気)」領域(スコア74)にある中で、上海総合のRSIが72.9という過熱水準に達している点である。高値警戒感はあるものの、2025年の輸出統計が過去最高を記録したことや、ハイテク分野での自立化進展が下値を強力にサポートする展開となった。為替市場ではUSD/CNYが6.96と人民元高水準で安定しており、これが資産価格を支える一因となっている。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
本日の上昇を牽引した主要因は、実体経済の堅調さと米政権内の人事動向による「米中摩擦緩和」への期待である。
- 輸出の記録的増加と実需の強さ
2025年の中国輸出が+6.1%増加し過去最高を更新したとの報道は、内需の弱さを外需がカバーする構図を再確認させ、製造業・輸出関連株への資金流入を促した。 - 米政権内の対中強硬派更迭
「Trump admin pushes out US official whose unit banned Chinese vehicles(トランプ政権が中国車規制を担当した高官を更迭)」とのヘッドラインは、市場にサプライズを与えた。これが過度な制裁合戦の回避、あるいは交渉への軟化シグナルと受け止められ、特に制裁リスクに敏感なハイテク株やEV関連株のセンチメントを改善させた。 - ハイテク自給技術の進展
「Chinese scientists shrink semiconductor chip into fibre(中国の科学者が半導体チップを繊維状に縮小)」というニュースは、米国の輸出規制に対する中国の技術的レジリエンス(回復力)を示唆し、長期的な成長ストーリーを補強した。
参考:GDP目標報道で上海4122へ:AI半導体選別とRSI76の過熱警戒 でも触れた通り、AI半導体を中心とした技術革新への期待は依然として根強い。
昨日のシナリオ検証
昨日の分析における「メインシナリオ(4100-4140ポイントのレンジ推移)」は的中した。
要因分析:
市場はRSI70超えの過熱感を意識しつつも、上記の輸出好調や米人事報道といった新たな強材料が出現したことで売りが吸収された。結果として、想定レンジの上限付近である4136.16ポイントでの着地となり、底堅いアップトレンドが維持されたことが確認された。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 | 価格 | 変化 | コメント |
|---|---|---|---|
| Shanghai Comp | 4136.16 | +0.33% | RSI(72.9)は過熱圏。トレンドは強いが、週末を控え利益確定売りが出やすい水準。 |
| Hang Seng | 26749.51 | +0.45% | 米中緊張緩和期待でテック株が買い戻される。TikTok新会社設立のニュースも材料視。 |
| USD/CNY | 6.96 | -0.02% | 7.00の大台を割り込んで推移しており、人民元高が中国資産への資金流入を正当化している。 |
| Gold | 4983.10 | +1.51% | 株高と並行して上昇。RSI(89.8)は異常値だが、リスクヘッジ需要も根強く、全方位的な資金流入を示唆。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
来週のFOMCおよび春節休暇を控え、週末はポジション調整が主体となる見込みである。
短期シナリオ (24-48h)
- メイン (確率 60%):
- 条件: 輸出好調のファンダメンタルズが支えとなる一方、週末要因とRSIの過熱感が上値を抑制する。
- 想定: 4120-4150ポイントの高値圏での保ち合い。急騰もしないが、大きく崩れることもない底堅い展開。
- アップサイド (確率 20%):
- トリガー: トランプ政権による更迭人事が「本格的な制裁緩和」への転換点と強く解釈される場合。
- ターゲット: 4150の節目を明確にブレイクし、4180-4200を目指す加速的上昇。
- ダウンサイド (確率 20%):
- トリガー: 週末を控えた手仕舞い売りや、米国金利上昇(US 10Y Yield 4.24%)への警戒感再燃。
- リスク: 心理的節目の4100を割り込み、4050-4080ゾーンへの健全な調整。
着目イベント(今後48時間):
* ECBラガルド総裁発言(欧州景気動向の確認)
* 米PCEデフレーター/GDP(来週のFOMCへの影響)
中期シナリオ (1-2週間)
- 見通し: Bullish (強気)
- 重要イベント: FOMC (1/28-29)、春節前の流動性供給、米ハイテク決算。
- リスク: 米中通商交渉の不透明感再燃(更迭が一時的なものである可能性)、米インフレ指標による金利反発。
- 過去の分析(米株急落・VIX20台突入:上海4100攻防とHuaweiの底力)でも指摘した通り、VIXの上昇局面では外部環境の急変に注意が必要である。
【投資戦略】 (Outlook)
- スタンス: 押し目買い (Buy Dips) / 高値警戒
- 戦略:
地合いは非常に強いが、RSI 72.9という水準での新規の積極的な買い(Chase)はリスクリワードが悪い。メインシナリオである「高値保ち合い」を前提に、4100-4120ゾーンへの押し目を丁寧に拾う戦略を推奨する。すでにポジションを持っている場合は、4150近辺での部分的な利益確定を検討しつつ、トレンドフォローを継続。 - リスク管理:
- サポートライン: 4100(心理的節目かつ過去のレジスタンス)
- 撤退ライン: 4050(短期トレンドの崩壊ライン)
参考:AI・6G策で上海4100死守:RSI76の過熱感とPDD規制の暗雲 にある通り、4100ポイントの死守は強気相場継続の必須条件であり、ここを割り込まない限りは「調整」の範疇と捉えるべきである。


