【2026-01-14の市況概要】
本日の上海総合指数は前日比-0.31%の4126.09ポイントで取引を終えた。テクニカル的な過熱感(RSI 85.5)が依然として極めて高い水準にある中、利益確定売りと押し目買いが交錯する展開となった。
一方で、香港ハンセン指数は+0.56%の26999.81ポイントと堅調に推移。米国市場におけるNasdaqの下落(-1.0%)やS&P500の軟調地合い(-0.53%)といった外部環境の悪化にもかかわらず、中国固有の材料(米中ハイテク規制の緩和観測)が下値を支える構図となっている。為替市場ではUSD/CNYが6.97で横ばいとなり、人民元高が一服していることも株式市場の様子見ムードを助長した。
【相場変動の主因】
本日の市場を支配したのは、「テクニカル過熱感」と「個別材料の強弱対立」である。
-
Nvidia輸出容認と独禁法調査の綱引き
トランプ氏がNvidiaのH200チップの対中輸出を容認する姿勢を示したことは、ハイテク株にとって明確なポジティブサプライズであった。これはAlibaba等のハイテク大手がAIインフラを拡充できる可能性を示唆し、アリババ目標株価180ドルへ修正:消費逆風とAI成長の「二極化」でも触れた通り、AIセクターへの資金流入を正当化する材料である。
しかし、春節(旧正月)直前にTrip.com(携程)に対する独占禁止法調査が開始されたとの報道が、市場心理を冷やした。かつての「テック規制」の悪夢を想起させるこの動きは、特に消費関連株の上値を抑える重石として機能した。 -
歴史的な過熱水準での日柄調整
上海総合指数のRSIは85.5という「Extreme Greed(極度の強気)」領域にある。通常、RSIが80を超えると自律反落のリスクが高まるが、現在の市場は暴落することなく高値圏で推移している。これは、ブラジルとの貿易額が過去最高の1710億ドルに達するなど、ファンダメンタルズの底堅さが売り圧力を吸収しているためと考えられる。
昨日のシナリオ検証
昨日のメインシナリオ(条件:RSI高水準による過熱感が継続し、Trip.comへの調査が心理的重石 -> 4100-4150のレンジ推移)は【的中】した。
要因は以下の通りである:
* Trip.comショックの限定化: 独禁法調査はネガティブであったが、市場全体を崩落させるほどのシステマチックなリスクとは捉えられなかった。
* 過熱感の消化: 指数が大きく崩れず4126ポイントで引けたことは、上海総合、RSI89台でスピード調整で指摘した通り、高値圏での「日柄調整」が進行していることを裏付けている。
【注目アセット】
| 資産 | 価格 | 変化 | コメント |
|---|---|---|---|
| 上海総合指数 | 4126.09 | -0.31% | RSI 85.5。依然として過熱域。4100でのサポート強度は高いが、上値を追うには新たなカタリスト(GDP等)が必要。 |
| ハンセン指数 | 26999.81 | +0.56% | 本土株より堅調。Nvidia輸出容認の恩恵を受けやすいハイテク銘柄が指数を押し上げている。 |
| USD/CNY | 6.97 | 0.00% | RSI 13.9と極端な売られすぎ(元高行き過ぎ)水準。短期的にはドルの買い戻しによる人民元安方向へのリバウンドに警戒が必要。 |
| Gold | 4633.9 | +0.97% | 知政学リスク(イラン情勢等)に加え、株式市場の高値警戒感からヘッジ需要が継続。 |
【シナリオ分析】
短期シナリオ (今後24-48時間)
明日の中国GDP発表(1/15)を控え、基本的には様子見ムードが強まるが、ボラティリティの上昇には注意が必要である。
- メインシナリオ (確率 60%)
- 条件: Trip.comへの調査に対する警戒感が継続しつつも、GDP発表待ちで積極的なポジション傾斜が手控えられる。
- 展開: 4100-4150のレンジ内での推移が続く。RSIの過熱感を冷ますための横ばい調整となり、個別株物色(Nvidia関連vs規制懸念銘柄)の色彩が強まる。
- アップサイド (確率 25%)
- 条件: トランプ氏の半導体輸出容認発言を受け、米系ファンド等が中国テック株への再評価を加速させる。
- ターゲット: 調整を早期に切り上げ、4200ポイント台への突入を試みる。
- ダウンサイド (確率 15%)
- 条件: 独禁法調査の対象拡大観測や、米小売売上高(1/14発表)の結果を受けた米国株の急落が波及する場合。
- リスク: 節目の4100を割り込み、心理的サポートとなる4050付近まで調整売りが加速する。
中期シナリオ (1-2週間)
- 見通し: Bullish (強気維持)
- 重要イベント: 中国GDP発表 (1/15)、春節(旧正月)前の資金需要。
- リスク: 米中ハイテク摩擦の再燃(トランプ政権の不確実性)、国内消費の構造的弱さ(デフレ懸念)。
【投資戦略】
スタンス:様子見(Wait)および 押し目買い準備
現在のRSI 85超という水準での新規ロングは、リスクリワードが悪すぎるため推奨しない。市場は「材料待ち」かつ「過熱感の消化中」である。
-
エントリー戦略:
- レンジ下限である4100近辺、あるいはダウンサイドシナリオの4050近辺までの調整を待ってからの押し目買いが賢明である。
- 特に、Nvidia輸出容認の恩恵を受けるAIハードウェア関連や、CPI急伸もPPIデフレ継続の状況下でも価格転嫁力を持つセクターを選別したい。
-
リスク管理:
- 4050を明確に下抜けた場合は、短期的な上昇トレンドの終了(調整局面入り)と判断し、ポジションを縮小する。
- Trip.com以外のプラットフォーマーに規制報道が飛び火した場合は、センチメント悪化を懸念して即座にリスクオフとする。
-
イベント注視:
- 1月15日のGDP発表がコンセンサスを上回れば、過熱感を無視して4200を目指す「踏み上げ相場」になる可能性があるため、ショートポジションは厳禁とする。


