【2026-01-13の市況概要】 (Market Pulse)
連休明けの日本市場は、休場中の米株高と円安進行を一気に織り込む展開となり、日経平均株価は前日比+3.1%の53,549円まで急騰しました。センチメントスコアは82(Extreme Greed)に達し、RSI(相対力指数)も77.4と過熱圏に突入しています。
一方、昨晩の米国市場は今夜発表されるCPI(消費者物価指数)を前に利益確定売りが優勢となり、S&P500は-0.19%と小幅反落しました。特筆すべきは、株価の小動きに対しVIX指数(恐怖指数)が5.69%上昇し15.98をつけている点です。これはイベント前のヘッジ需要の高まりを示唆しており、東京市場の陶酔感とは対照的な警戒感が漂っています。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
本日の日経平均急騰の主因は、「連休中の米ハイテク株高へのキャッチアップ」と「ドル円の159円台定着による輸出採算改善期待」の複合要因です。
- 為替とハイテク株の連動: ドル円が159.09円まで上昇したことで、自動車や半導体関連株への資金流入が加速しました。特に円安はEPS(一株当たり利益)の上方修正期待に直結し、海外勢の買いを誘引しています。
- イベント前のポジション調整: 米国市場では、S&P500が史上最高値圏にある中でCPI発表を控え、利益確定売りが出ました。共同通信も「最高値反動で利益確定売り」と報じている通り、高値警戒感からのポジション調整が行われています。
- VIXの乖離: 株価が大きく崩れていないにもかかわらずVIXが上昇している現象は、オプション市場でのプット買い(下落ヘッジ)需要を示しており、今夜のCPI次第ではボラティリティが急拡大するリスクを内包しています。
昨日のシナリオ検証
昨日の分析における強気シナリオ(Bull Scenario)が実現しました。
当初のメインシナリオでは高値もみ合いを想定していましたが、実際には「米CPIの下振れ期待」よりも手前の「円安進行と半導体セクターへの資金集中」が強力なドライバーとなり、想定ターゲットであった52,500円を1,000円以上上回る53,549円まで突き抜けました。休場中の好材料を一気に消化する「真空地帯」のような上昇圧力が働いたと言えます。
詳しくは米株連騰で日経5.2万攻防:今夜のCPI警戒と158円台の円安余波での分析も参照してください。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 | 価格 | 変化 | コメント |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 53,549.16 | +3.10% | RSI 77と過熱感強い。53,500円台維持が焦点。 |
| USD/JPY | 159.09 | +0.60% | 160円の大台を意識する水準。介入警戒感も浮上。 |
| VIX指数 | 15.98 | +5.69% | 警戒水準。CPI次第で20台へのスパイクもあり得る。 |
| WTI原油 | 61.10 | +2.69% | 底打ち感。エネルギーセクターへの追い風。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
今夜の米CPI(消費者物価指数)が最大のカタリストとなります。市場はすでに「過熱感(Extreme Greed)」にあるため、結果次第で振幅が大きくなる公算が高いです。
短期シナリオ (今後24-48時間)
- メインシナリオ (確率 60%): 「材料出尽くしによる自律調整」
- CPIがコンセンサス通り(無風)であっても、日経平均は短期間で急騰しすぎた反動(RSI 77)から、利益確定売りが出やすい局面です。53,500円を挟んだ攻防の後、53,200円付近への軟化を想定します。VIXの上昇は、この調整を織り込みにいっている可能性があります。
- アップサイド (確率 20%): 「CPI下振れで54,000円トライ」
- CPIが予想を下回り、米金利(現在4.17%)が急低下すれば、ハイテク株主導で最後の一段高となる可能性があります。ターゲットは54,000円です。
- ダウンサイド (確率 20%): 「インフレ再燃懸念で急落」
- CPIの上振れにより米金利が跳ね上がった場合、またはVIXが20を超えて上昇した場合、過剰流動性の巻き戻しが起きます。この場合、53,000円を割り込み、52,500円の窓埋めに向かう調整が不可避となります。
着目イベント: 米国CPI(日本時間22:30)、新規失業保険申請件数(15日)
中期シナリオ (1-2週間)
- 見通し: Bullish (強気維持)
- 重要イベント: 米企業決算発表(1月中旬以降)、日銀金融政策決定会合(1月下旬)
- リスク: テクニカルな過熱感(RSI 77)の解消プロセスが必要。また、ドル円が160円に接近した場合、政府・日銀による為替介入への警戒感が上値を抑える要因となります。詳細はVIX14台へ急低下:日経5.2万目前の「極度な強気」と米CPIリスクで指摘した通り、ボラティリティの急変に注意が必要です。
【投資戦略】 (Outlook)
結論: 短期「様子見(Wait)」または「部分的な利益確定」、中期「押し目買い(Buy Dips)」
日経平均のRSIが77を超えている現状、ここからの新規ロングはリスクリワードが悪化しています。今夜の米CPIという重要イベントを控えているため、積極的なポジション構築は避け、イベント通過後の方向性を見極めるのが賢明です。
- 戦略: 既存のロングポジションは一部利益確定を推奨。新規エントリーは、CPI通過後の調整局面(52,800円〜53,000円近辺)での押し目を狙う形が望ましいでしょう。
- リスクレベル:
- レジスタンス: 54,000円(心理的節目)
- サポート: 52,800円(短期的な調整目処)
米国の金利動向が引き続き鍵を握ります。米金利急低下とトランプ介入:S&P500最高値更新の裏にある「官製相場」の真実でも触れたように、金利低下トレンドが維持される限り、株式市場の底堅さは継続すると見ています。


