【2026-01-11の市況概要】 (Market Pulse)
中国(CN)市場は「Extreme Greed(極度の強気)」センチメントに支配されています。上海総合指数は前日比+0.92%の4120.43で引け、RSI(相対力指数)は98.8という統計的に異常な過熱水準に達しました。
通常であればクラッシュが警戒される水準ですが、市場を支えているのは強力な通貨高です。オンショア人民元(USD/CNY)が心理的節目の7.00を割り込み、6.98まで上昇したことで、人民元建て資産への再評価買いと海外資金の流入期待がテクニカル的な警戒感を凌駕しています。米国市場の堅調さ(S&P 500 +0.65%)も追い風となり、リスクオンムードが継続しています。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
1. 心理的節目「7.00」割れの人民元高
最大のドライバーは為替動向です。ドル安トレンドに加え、中国当局の景気刺激策への期待感から人民元が6.98へと上昇しました。これにより、海外投資家視点での中国株の割安感が意識されると同時に、資本流出懸念が後退しています。これが、RSI 98超という過熱圏でも売りが出にくい需給構造を作っています。
2. 「宇宙・AI」国策テーマの再燃
「Starlinkへの衝突リスク懸念」を背景に、中国が20万基の衛星打ち上げ計画を申請したとの報道が材料視されました。これが通信・宇宙関連セクターへの投機的な買いを誘発しています。詳しくは、上海総合RSI98の異常過熱:半導体国産化と人民元高が支える強気相場でも触れた通り、国策銘柄への資金集中が指数を押し上げています。
昨日のシナリオ検証
昨日のシナリオデータが存在しないため厳密な検証は不能ですが、直近のプライスアクションを分析すると、市場は想定される「過熱による調整(Bear)」を否定し、「流動性主導の上昇(Bull)」を選択し続けています。テクニカル指標を無視したこの上昇は、ファンダメンタルズよりも需給(元高による資金流入)が主因であることを示唆しています。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 | 価格 | 変化 | コメント |
|---|---|---|---|
| 上海総合指数 | 4120.43 | +0.92% | RSI 98.8は歴史的異常値。いつ急落してもおかしくないが、モメンタムは最強。 |
| USD/CNY | 6.98 | -0.10% | 7.00割れが定着すれば、株価の下値支持線として機能し続ける。 |
| ハンセン指数 | 26231.79 | +0.32% | 本土株に比べ出遅れ感あり。米CPIを控え、様子見ムードも残る。 |
| 金 (Gold) | 4500.90 | +1.15% | リスクオンの中でも買われており、通貨価値希薄化へのヘッジ需要が根強い。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
米CPI(1/13)を目前に控え、ボラティリティが高まりやすい局面です。
短期シナリオ (今後48時間)
- メインシナリオ (確率 50%)
- 条件: RSI 98超という極度の過熱感から、短期筋の利益確定売りが先行するが、人民元高(6.98水準)が下値を固める。
- 展開: 上海総合指数は4100台前半での高値もみ合いとなり、時間をかけて過熱感(RSI)を冷ます「日柄調整」の展開。
- アップサイド (Bull) (確率 20%)
- 条件: 宇宙・AI関連への政府支援報道(衛星20万基計画等)が個人投資家の熱狂をさらに煽る。
- 展開: テクニカル指標を完全に無視し、踏み上げ(ショートカバー)を巻き込んで上海総合は4150を突破。ハンセン指数も26500を目指す。
- ダウンサイド (Bear) (確率 30%)
- 条件: 米中対立の激化(ベネズエラ情勢絡み)や、米CPI前のポジション調整売りが連鎖する。
- 展開: 過熱した本土株に急激な調整が入る。上海総合は4000の大台維持を試す展開となり、VIX指数も上昇。
着目イベント: 米国CPI(1/13)、中国当局からの追加的な市場メッセージ
中期シナリオ (1-2週間)
- 見通し: Neutral-Bullish(中立〜強気)
- 重要イベント: 米CPI(1/13)、旧正月前の資金需要動向
- リスク: 米中対立の再燃(トランプ政権の対中・対ベネズエラ強硬姿勢)と、RSI異常値からの反動安。
【投資戦略】 (Outlook)
スタンス: 押し目買い (Buy Dips) / ただし高値追いは厳禁
RSI 98.8という水準での新規ロングは「火中の栗を拾う」行為ですが、人民元高トレンドが継続している以上、ショート(売り向かい)は踏み上げられるリスクが高すぎます。
- エントリー戦略: 上海総合が一時的な利食いで4080-4100近辺まで調整した局面での押し目買いを推奨。
- リスク管理: 4000ポイントを明確に割り込んだ場合は、トレンド転換と判断し即座に撤退。
- 注目セクター: テクニカル過熱の影響を受けにくい「出遅れセクター」や、国策テーマである「宇宙・通信インフラ」。
現状の過熱感については、上海総合RSI99に接近:歴史的過熱感と香港財政期待の強気相場でも詳細に分析していますが、ここからの上昇余地よりも、調整時のボラティリティ管理に重点を置くべき局面です。


