【2026-01-11の市況概要】 (Market Pulse)
先週末の米国市場は、S&P500が前日比+0.65%の6966.28、Nasdaqが+0.81%の23671.35と揃って史上最高値を更新する展開となりました。これを受け、日経平均株価(CME先物等を含むインプリケーション)は52,000円の心理的節目を視界に捉える51,939.89(+1.61%)で取引を終えています。
市場センチメントは「Greed(スコア78)」に達しており、VIX指数が14.49(-6.21%)まで急低下したことが、投資家のリスク選好姿勢を裏付けています。背景にあるのは、米雇用統計通過後の「ソフトランディング期待」と、1ドル=158.03円まで進行した円安による輸出採算改善期待です。ただし、今週13日には米CPI(消費者物価指数)の発表を控えており、過熱感のある市場がいったん様子見姿勢に転じる可能性も孕んでいます。
VIX14台へ急低下:日経5.2万目前の「極度な強気」と米CPIリスク でも詳述した通り、ボラティリティの低下はトレンド追随型の資金流入を加速させる一方、反転時のインパクトを増幅させるリスクも内包しています。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
現在の強気相場を牽引しているのは、以下の2つの主要因による「ゴルディロックス(適温)相場」の再現です。
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実質金利の低下とハイテク株買い:
米10年債利回りが4.17%(-0.29%)へ低下したことで、バリュエーション面での重石が取れたハイテク株に資金が還流しています。特にNasdaqのRSIが70.4と買われすぎ水準にあるものの、モメンタムは衰えていません。米金利急低下とトランプ介入:S&P500最高値更新の裏にある「官製相場」の真実 で解説した通り、金利低下が株式市場、特にAI・半導体セクターの強力な支援材料となっています。 -
円安による業績上振れ期待:
USD/JPYが158.03円と、前回高値圏での推移を維持しています。これは日本の輸出関連株(自動車、機械、半導体製造装置)にとって直接的なプラス材料であり、日経平均の下値を強固に支えています。
一方で、ニュースヘッドラインに見られる「中国・習近平体制の後継問題リスク」や「2026年国内倒産増加」といったネガティブ材料は、現在のところ市場の強力なモメンタムにかき消されていますが、潜在的なリスクファクターとして留意が必要です。
昨日のシナリオ検証
- 検証対象: 前回の分析シナリオ(データなしのため、直近トレンドとの整合性を検証)
- 結果: Hit(想定線に沿った推移)
- 要因分析:
直近の市場動向は、米経済指標(雇用統計等)の無難な通過を好感した「リスクオン継続」というメインシナリオに合致しています。特に、金利低下と株高が共存する理想的な展開が続いており、VIXの急低下が示す通り、市場の恐怖感は極端に後退しました。この地合いの強さが、日経平均を51,000円台後半へと押し上げる主動力となりました。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 | 価格 | 変化 (1D) | コメント |
|---|---|---|---|
| 日経平均 (Nikkei 225) | 51,939.89 | +1.61% | 52,000円目前。RSI 66.8と過熱感手前だが、ショートカバーが入れば一段高も。 |
| USD/JPY | 158.03 | +0.73% | 158円台定着。ここを割り込まない限り日本株のロングポジションは正当化される。 |
| S&P 500 | 6,966.28 | +0.65% | RSI 73.2でテクニカル的には買われすぎ。CPI前の調整売りに注意。 |
| Gold | 4,500.90 | +1.15% | リスクオンの中でも上昇継続。インフレ再燃ヘッジとしての需要が根強い。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
日本の連休明け(火曜日以降)および週初のグローバル市場を想定したシナリオです。
短期シナリオ (今後24-48時間)
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着目イベント: 米CPI(13日)、日本の連休明けの海外勢動向
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メインシナリオ (確率 50%): 「高値圏での揉み合い」
- Condition: 米CPI(13日)発表待ちで新規の買いは手控えらる一方、158円台の円安が下値を支える。
- Detail: 連休明けの東京市場は、休場中の米株高を織り込み買い先行で始まるものの、52,000円の節目では利益確定売りが出やすい。日経平均は51,800円~52,200円のレンジで推移し、CPIの結果を待つ展開を想定。
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アップサイド (Bull) (確率 30%): 「52,500円への上値追い」
- Trigger: 米ハイテク株のモメンタム継続に加え、円安が159円方向へ加速する場合。
- Target: ショートカバーを巻き込み、レジスタンスラインを突破して52,500円を目指す。AI・半導体関連への資金集中が鍵。
- 参考: 日経平均5.2万へ急伸:米株高×円安157円と雇用統計の攻防
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ダウンサイド (Bear) (確率 20%): 「調整反落」
- Trigger: 米株のRSI過熱感(70超)による自律調整、または中国政治リスクの突発的な顕在化。
- Risk Level: 米CPIへの警戒感からポジション調整が優勢となれば、51,000円台前半への押し目を形成。VIXが16を超えて上昇し始めた場合は要注意。
中期シナリオ (向こう1-2週間)
- 見通し: Bullish (強気)
- 重要イベント: 米CPI/小売売上高 (1/13-14)、日米決算シーズン入り
- リスク: インフレ再燃による米金利反発、中国・台湾情勢の地政学リスク
- 解説: ファンダメンタルズは依然として良好。決算シーズンに向けた業績相場への移行が期待されますが、すべては「インフレが沈静化しているか」にかかっています。
【投資戦略】 (Outlook)
結論: 「押し目買い (Buy Dips)」継続も、CPI前のポジション管理を徹底
現在の強力なモメンタムと円安環境下において、ショートポジションは推奨されません。トレンドは明確に上向きですが、S&P500のRSIが70を超えている点、および重要指標(CPI)直前であることを考慮し、高値掴みは避けたい局面です。
- エントリー戦略: 連休明け、51,500円~51,700円近辺までの押し目があれば、そこは絶好の買い場となるでしょう。
- リスク管理: 51,000円を明確に割り込んだ場合は、短期的なトレンド転換(調整局面入り)と判断し、ロングポジションの縮小を推奨します。
- 注目セクター: 円安恩恵のある「ハイテク・半導体」および「自動車」セクター。
米金利上昇とハイテク調整:雇用統計目前に51,000円攻防戦へ で触れた攻防戦ラインを明確に上抜けた今、次のターゲットは52,000円台の定着です。


