【2026-01-10の市況概要】 (Market Pulse)
10日の中国本土市場は、歴史的な記録に残るモメンタム相場となりました。上海総合指数は前日比+0.92%の4120.43で引け、テクニカル指標のRSI(相対力指数)は98.8という異次元の水準に到達しました。通常、70以上で「買われすぎ」とされる中、この数値はパニック的な買い(踏み上げ)と極度の強気心理を示唆しています。
一方、香港市場も堅調です。ハンセン指数は+0.32%の26231.79となり、財政黒字見通しやAI関連への資金流入が支えとなりました。為替市場ではUSD/CNYが6.98と心理的節目の7.00を割り込んで推移しており、人民元高が資産価格を押し上げる構図が継続しています。米国市場(S&P500 +0.65%)のリスクオン環境も、中国株への資金還流を後押ししました。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
1. 異常な流動性主導のモメンタムとAI期待
上海市場の上昇は、ファンダメンタルズを超えた「需給相場」の様相を呈しています。上海総合RSI98の異常過熱:半導体国産化と人民元高が支える強気相場でも詳述した通り、AI・半導体分野での国産化加速期待(「AI race」報道)に加え、米国債利回り低下(10年債 4.17%)を受けた新興国への資金シフトが加速しています。特に、世界的な「AI 4小龍」への注目が集まる中、関連銘柄への資金集中が指数全体を押し上げています。
2. 地政学リスクの「逆説的」恩恵
トランプ政権下の米国がベネズエラ情勢などで強硬姿勢を見せる中、相対的に中国市場への資金配分を見直す動き(ブラジル等の反発と中国への接近)が一部で見られます。「China calls on US to form united front against Japanese militarism」といったヘッドラインに見られるように、外交的な緊張感はあるものの、市場はこれを「内需刺激策の正当化」として好意的に解釈する動きも見られます。
昨日のシナリオ検証
昨日想定された「メインシナリオ(世界株高を背景とした高値更新)」はHitしました。
RSIが既に90を超える危険水域にありながら、調整を挟まずに4100台を突破した要因は、テクニカルな過熱感を無視するほどの強力なショートカバー(踏み上げ)です。通常のオシレーター分析が機能しない「バンドウォーク」状態が継続しており、逆張り勢の損切りがさらなる上昇燃料となりました。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 | 価格 | 変化 | コメント |
|---|---|---|---|
| 上海総合指数 | 4120.43 | +0.92% | RSI 98.8は統計的な特異点。いつ急落してもおかしくないが、トレンドは最強。 |
| ハンセン指数 | 26231.79 | +0.32% | 本土株に比べ割安感あり。財政見通し改善で26500を視界に捉える。 |
| USD/CNY | 6.98 | -0.01 | 7.00割れ定着で海外勢の資金流入が継続しやすい環境。 |
| Gold | 4490.30 | +0.91% | 世界的な地政学リスク(ベネズエラ等)を背景に高値更新。リスクヘッジとして機能。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
短期シナリオ (今後24-48時間)
RSI 99接近という異常事態を考慮し、ボラティリティの急拡大に警戒が必要です。
- メイン (確率50%):
- 条件: 米国市場の好調維持と人民元高(6.90台)の継続。
- 展開: 上海総合は4100台での高値保ち合いで過熱感(RSI)を微修正しつつ、ハンセン指数は遅れを取り戻す形で26300を目指す。
- アップサイド (確率25%):
- 条件: 週末に向けた新たな財政刺激策の観測報道や海外勢の追随買い加速。
- ターゲット: 上海総合は4150を突破、ハンセン指数は26800へ伸長。
- ダウンサイド (確率25%):
- 条件: テクニカル指標の限界による利益確定売りの連鎖、または日米中に関連する突発的な地政学ヘッドライン。
- リスク: 上海総合は4050(短期サポート)を割り込み、4000付近まで急調整するリスクあり。
着目イベント: 米ミシガン大消費者信頼感指数(1/10)。米国の消費動向が世界的なリスクセンチメントを左右します。
中期シナリオ (今後1-2週間)
- 見通し: Bullish (強気)
- 重要イベント: 米CPI (1/13), 米小売売上高 (1/14)
- リスク: 極端な買われすぎ状態からの「反動安(Mean Reversion)」が最大のリスク。また、CPI急伸もPPIデフレ継続という中国国内の歪なインフレ構造が再認識された場合、実体経済への懸念が台頭する可能性があります。
【投資戦略】 (Outlook)
スタンス:押し目買い (Buy Dips) / トレーリングストップの厳格化
現在の水準からの新規フルポジションは、RSI 98.8という数値を鑑みるとリスクリワードが悪化しています。既存のロングポジションは維持しつつ、利益確定ライン(トレーリングストップ)を引き上げてください。
- エントリー戦略: 上海総合が一時的な調整で4050-4080ゾーンまで下落した場合、短期的な押し目買いの好機となります。ハンセン指数は相対的な出遅れ感があるため、26000近辺でのサポート確認後のロングが有効です。
- リスク管理: 上海総合が4000を明確に割り込んだ場合、短期トレンドの終了と判断し、一度手仕舞い(様子見)を推奨します。
参考: 香港市場でのAI関連株の動向については、智譜AI香港IPOで一時15%高の記事も参照し、セクター別の資金循環を確認してください。


