【2026-01-08の市況概要】 (Market Pulse)
本日の暗号資産市場は、米長期金利の急上昇という逆風を受けながらも、Bitcoin(BTC)が90,000ドルの心理的節目を死守する底堅い展開となりました。
BTC価格は前日比-0.08%の91,236ドルで推移。一時89,200ドル付近まで下値を試す場面が見られましたが、即座に押し目買いが流入し、高値圏での揉み合い(コンソリデーション)を維持しています。一方、Ethereum(ETH)は-1.49%の3,119ドルとBTCに対し劣後しており、資金の質への逃避(Flight to Quality)がクリプト市場内でも観測されます。
株式市場ではNasdaqが-0.44%と反落する中、恐怖指数(VIX)は15.45(+0.46)へ上昇しており、明日の米雇用統計(NFP)を前に市場全体の警戒感が高まっています。
【相場変動の主因】 (Key Drivers)
本日の相場を動かした主因は、「ISM非製造業景況感の好調による米金利の再上昇」と「9万ドル帯における実需の買い支え」の綱引きです。
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米長期金利(10年債)の急騰 (4.18%, +1.09%)
JOLTS求人数が減少傾向を示し、労働市場の軟化が示唆されたものの、同時に発表されたISM非製造業景況感が市場予想を上振れました。これにより、「景気は依然として強く、FRBの利下げペースは緩やかになる」との観測が再燃。債券売り(利回り上昇)が加速し、リスク資産全体の上値を重くしました。通常、金利上昇はBTCにとって強い売り材料ですが、本日は下げ渋る動きを見せています。 -
機関投資家のセンチメント改善
Bank of AmericaがCoinbaseを「Buy」に格上げしたとの報道や、VanEckによる長期的かつ強気な価格予想(2050年ターゲット)がヘッドラインを飾り、中長期的な押し目買い意欲を支えています。 -
トランプ次期政権への思惑
トランプ氏がサム・バンクマン・フリード(SBF)氏の恩赦を否定したことは、市場の健全化を好感する向きがある一方、規制リスクへの意識も残します。しかし、「第2次トランプ政権がクリプト政策進展の黄金の窓口になる」とのレポートも出ており、政策期待が下値を支える構図は変わりません。
【注目アセット】 (Asset Watch)
| 資産 (Asset) | 価格 (Price) | 変化 (Change) | コメント (Comment) |
|---|---|---|---|
| Bitcoin (BTC) | $91,236.41 | -0.08% | 米金利上昇下でも$90kを維持。RSIは66と過熱感なく、雇用統計待ちの膠着状態。 |
| Ethereum (ETH) | $3,119.69 | -1.49% | BTCに対しアンダーパフォーム。$3,200のサポートを割り込み、上値が重い。 |
| US 10Y Yield | 4.18% | +1.09% | 本日の最大リスク要因。4.2%を突破する場合、リスク資産への調整圧力が増す恐れ。 |
| Gold (GC=F) | $4,487.90 | +0.87% | デジタル・ゴールド(BTC)が横ばいの中、実物ゴールドは上昇。インフレヘッジ需要が先行。 |
【シナリオ分析】 (Scenarios)
短期シナリオ (Short-term: 24-48h)
明日の米雇用統計(NFP)が最大のカタリストとなります。
- メインシナリオ (確率 50%):
雇用統計の結果待ちで、90,000ドル〜92,500ドルのレンジ推移を継続。発表直後はボラティリティが拡大するものの、方向感は出にくい展開を想定。 - アップサイド (Bull):
雇用統計が予想を下回り(雇用者数減・失業率上昇)、かつ平均時給の伸びが鈍化した場合。金利低下を好感し、93,500ドルの直近高値圏をトライ。ここを抜ければ95,000ドルが視野に入る。 - ダウンサイド (Bear):
雇用統計が非常に強く、長期金利が4.25%を超えてくる場合。リスク回避売りが加速し、90,000ドルのサポートを明確に割り込むと、ストップロスを巻き込み87,500ドル〜88,000ドル付近まで急落するリスクがある。 - 着目イベント:
2026-01-09 米国雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率、平均時給)
中期シナリオ (Mid-term: 1-2 Weeks)
- 見通し: 中立〜強気 (Neutral to Bullish)
- 論拠:
現在の「Greed (63)」というセンチメントは、過熱しすぎず健全な上昇トレンドの調整局面を示唆しています。9万ドルでの底堅さが確認されれば、来週のCPI(1月13日)を通過後に再び上昇トレンドへ回帰する公算が高いでしょう。 - 重要イベント:
来週1月13日のCPI(消費者物価指数)および1月15日の小売売上高。インフレ再燃の兆候が見られなければ、FRBの緩和期待が再浮上し、BTCには追い風となります。 - リスク:
XRP ETFからの4,000万ドルの資金流出に見られるように、アルトコイン市場の需給悪化がBTCへ波及する可能性。また、トランプ次期政権の具体的な人事や規制方針に関するネガティブサプライズ。
【投資戦略】 (Outlook)
結論:押し目買い (Buy Dips) / 厳格なリスク管理
現状は強気トレンドの中での健全な調整(Consolidation)と判断します。ただし、明日の雇用統計というバイナリーイベントを控えているため、レバレッジを落とした慎重なエントリーが推奨されます。
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エントリー戦略:
90,000ドル〜90,500ドルゾーンでの押し目買いを基本戦略とします。金利上昇圧力が強いため、高値を追う動き(飛びつき買い)は推奨しません。 -
リスク管理:
88,800ドル(直近安値下抜け)にストップロスを設定。ここを割り込むと短期的なトレンド転換(調整深化)の可能性が高まります。 -
利確目処:
短期では93,500ドル。ここをブレイクした場合はトレーリングストップに切り替え、95,000ドル以上を狙う形とします。
アナリストの視点:
「金利が上がっているのにBTCが下がらない」という現象は、潜在的な買い需要の強さを示唆しています(Divergence)。雇用統計が無難に通過すれば、このマグマが上方向へ解放される可能性が高いと見ています。


